【SBSラジオで紹介!】富士市 「金指市政」スタート ~「共に変えよう新しい富士市へ」~

静岡

金指祐樹新市長(写真提供:富士市)

 富士山の南麓に位置し、良質な水資源を生かした製紙業をはじめとする工業都市として栄えてきた「富士市」。日本屈指の「紙のまち」として全国でも市の知名度は高いものの、少子高齢化による人口減少や若者の都市圏流出、公共施設の老朽化など多くの課題を抱えている。そうした中、今年1月に市長選挙を制した金指祐樹氏が、富士市の新しいリーダーとして市長に就任した。  「共に変えよう新しい富士市へ」のテーマのもと市政のかじを取る金指新市長に主要事業の実施方針や今後のまちづくりの方向性、地元建設企業とのパートナーシップなどについて聞いた。 ■当選を果たし新しいリーダーとして、富士市政を担うことになった思いをお聞かせください。  富士市には、多くの温かい人々がおり、雄大な自然、そして誇り高き歴史があります。私は、このまちが大好きです。しかし現在、本市は人口減少や福祉の充実、産業の活性化など、避けては通れない課題を抱えています。私はこれらの壁を乗り越えるため、聖域なき市政運営に取り組み、持続可能な未来を切り開いてまいります。「誰もが安心して暮らし、子どもたちが夢を描ける富士市へ」。市の可能性を信じ、市民の皆さまと手を取り合って、一歩ずつ着実に歩みを進めていく決意です。輝く未来に向けた「新しい富士市」を、市民の皆さんと一緒に創っていきたいと思っています。 ■市の現状や課題を踏まえ、これからのまちづくりや土地活用(市街化調整区域も含む)の方針や考え方は。  三つの視点を市政運営の基本姿勢として掲げ、市政のかじ取りを行います。  まずは、「『民間目線』による結果重視の姿勢運営」です。民間企業で営業職に従事した経験を生かし、変えるべきものは変えることでさまざまな障害を突破し、コスト意識とスピード感を持った「稼げる市NO.1」を目指します。  そして、「『IT世代目線』による徹底した変革」にも取り組みます。デジタルは単なる業務効率化のツールではありません。時間や場所にとらわれず行政サービスに係る手続きを可能とし、市民が窓口に行く手間や待ち時間を削減することで、より便利な住民サービスの実現を目指します。  さらに、「市民目線に立ち、持続可能な富士市を築くための未来への投資」にも注力します。子育てしやすいまちを目指し、18歳までのこども医療費無償化する他、▽遊びでまちに活力を生み出すための大規模集客施設の誘致▽田子の浦港、大淵笹場、岩本山などを観光拠点とする周辺エリアの活性化▽安全・安心に暮らせるまちとなるよう、自然災害に備えたインフラ改修整備や移動の利便性向上―に取り組みます。 ■JR富士駅北口の再整備事業について、整備の方向性や今後の取り組みなどをお示しください。  富士駅北口駅前広場の北側の敷地で再開発組合が施行する再開発事業(1㌶)では、道路・街区の再編や建物更新により、商業施設や分譲住宅、立体駐車場、専門学校、広場などを整備します。駅前広場敷地で市が施行する駅前広場整備事業(0・9㌶)では、広場を再編するとともに、ブック&カフェやものづくりラボなどが入る公益施設を整備します。  今後の取り組みとして、再開発事業については、本年1月から本格的な建物の解体工事に入っています。本年秋ごろから、建物の建築工事に入る予定であり、2029年(令和11年)の秋ごろの完成を目指しています。商業施設については、現在、再開発組合の皆さんが、再開発ビルの1~2階に誘致する店舗等を検討しています。市といたしましても、地域住民の皆さまから要望の多いスーパーなどについては、組合と協働で誘致活動を進めているところです。また、再開発ビルの1階に開校予定である、救急救命士を養成する3年制の専門学校(学校法人東洋育英会)については、30年(令和12年春)の開校を目指して、準備を進めています。  駅前広場整備事業については、引き続きペデストリアンデッキの解体を進めるほか、駅前交番や階段などの解体にも着手します。駅前交番の解体中は、駅前広場西側マンションの1階に仮設交番を設置する予定です。ブック&カフェやものづくりラボの入る駅前公益施設のオープンについても、専門学校の開校と同じ30年(令和12年)春を予定しています。  昨年8月から、建物の解体工事などに伴い、順次、駅周辺の交通規制を実施しておりますが、市民の皆さまには、ご理解・ご協力いただきありがたく思っていおります。30年(令和12年)まで、工事期間が続くため、市民の皆さまには交通面でご不便をおかけしますが、引き続きご理解とご協力をお願いいたします。 ■一方、JR新富士駅前(南口)での整備についてお聞かせください。  新富士駅周辺地区を「静岡県東部地方拠点都市地域」(1992年指定)における高次都市拠点として位置付け、人の集散拠点としての都市機能の強化、広域の玄関口にふさわしい都市の顔の形成を図るため、2000年度から土地区画整理事業(事業面積29・2㌶)に着手し、2029年(令和11年度)の整備完了を目指して本事業を推進しています。面積ベースでの事業進捗率は、24年度末で83・6%となっております。  今後の取り組みとして、26年度から駅前商業地域(約4㌶)の基盤整備が本格化を迎えています。区画整理事業区域内の東西を結ぶ幹線道路である「田子浦往還通り線」の27年度の開通に向けて工事を推進していきます。区画整理事業区域内の公園(仮称・1号公園、柳島公園、仮称・2号公園、南口駅前広場、新富士駅南口大通り線)の整備にも取り組みます。 ■新病院建設事業について、開院に向けたスケジュールや施設整備にあたるコンセプトなどをお聞かせください。  開院に向けたスケジュールとして、2024年度に基本構想、25年度に基本計画、26年度に設計施工事業者選定/基本設計、27年度に実施設計、28年度から31年度の期間で建設工事を進めます。31年度に開院する予定で、32年度から33年度にかけて現病院解体および外構工事(駐車場整備含む)に取り組みます。  現病院の建物は築40年を超え、施設の老朽化や狭隘(きょうあい)化、病院建物としての機能の陳腐化、院内の人・モノの動線の交雑による使い難さが顕著になっています。富士医療圏の中核病院として、それら現病院の不具合を解消し、医療需要に十分に応えられる病院機能を獲得・維持するため、「医療需要に応えられる救急部門の拡充整備」「大規模災害時においても病院機能を維持できる施設の整備」「医療環境や医療技術、地域の人口動態の変化に対応できる施設整備」「感染症対策施設の整備」―の基本方針に基づき、病院の建て替え整備を進めます。  また、省エネルギー化や自然環境に配慮したエコロジカルな施設を整備する方針です。  中央病院は、高度急性期・急性期医療、高度医療、救急医療、災害医療などを担う地域医療の「最後の砦」として、地域住民に信頼され、安全で質の高い医療を持続的に提供していく必要があります。ますます高度・多様化する医療へ対応し、市民の安全・安心の一翼を担い続けるためには、可能な限り早期の新病院建設を期する必要があると考えています。 ■存廃が注目される富士マリンプールについて、市の方針や市長の考えをお聞かせください。  市民だけでなく市外からも誘客できる市内随一の観光レジャー施設であり、基本的には存続を前提として在り方を検討していきます。今年の夏は塩害や劣化のため利用者の安全が確保できないことから閉場とし、危険箇所を撤去する工事、専門業者による改修箇所や手法の調査を実施します。専門業者による調査結果などを基に、今後の在り方について検討・決定します。今後の在り方を決定するまでは、危険箇所を撤去した状態で暫定的な開場とすることもあり得ると考えます。 ■教育関連施設の集約化や長寿命化などに対しては、どのようなお考えでしょうか。  児童生徒の減少や学校の小規模化に適切に対応するとともに、老朽化した学校施設の長寿命化や改修・改築を計画的に進めるため具体的な再編計画を策定し、児童生徒にとってより良い教育環境を整備し、持続可能で質の高い教育の提供を目指していきます。  学校再編については、現行の中学校区を再編する方法、既存の中学校区を維持する方法、小中一貫教育施設を一体型で進めた上で、将来的に中学校区を再編する方法など、いくつかの手法が考えられますが、本再編計画では改定後の適正規模・適正配置に関する基本方針を基に、校舎施設の長寿命化、給食施設の在り方、プールの在り方などを踏まえ、継続的に豊かな学びを実現する学校の在り方の再編を検討していきます。 ■新工業団地の整備スケジュールや企業誘致に対する施策は。  フロント工業団地の第3期の規模は、開発面積が約4㌶で、3区画を整備する予定です。  新工業団地整備に向けた今後のスケジュールについては2026年度に整備事業を包括的に受託する事業協力者をプロポーザル方式で選定し、計画地の用地を取得します。27年度には整備に向けて開発行為の施行に係る同意を取得し、造成工事着手に向けた手続きを進めます。28年度には造成工事に着手するとともに、進出企業を募集・選定します。29年度に造成工事を完了し、進出企業へ用地を引き渡す予定です。  企業誘致については、事業協力者と連携し、新工業団地の情報を広く発信することで、企業からの問い合わせにしっかりと応え、地域経済の活性化につながる工場などの誘致につながるようしっかりと後押ししていきます。企業に選ばれるまちであり続けるため、市が一体となって全力でサポートし、地域産業に新たな活力が生まれるよう積極的に取り組んでいきます。 ■市発注工事について不調・不落などの防止に向けた入札制度の見直しに対する考えは。  2026年度からの指名選定基準数の見直しを行いました。すでに行っている不調対策に有効性のある入札制度として、不落随契を不落の際に予定価格からの超過が5%未満の場合に適用しているほか、発注課から最大90日までを設定し、受注者が着手日を選択できる「着手日選択型発注方式」を運用しています。  入札制度以外の対策として、工事発注時期の平準化(目標値0・80)、適正な予定価格および工期設定の徹底(各発注課への指導)を実施しています。 ■「富士市建設産業活性化協議会」の成果や今後の取り組み状況や成果については。  建設産業が抱えるさまざまな課題である「働き方改革」「経営基盤強化」「生産性の向上」「担い手確保」「安全・安心の確保」の解決を図るために、建設産業と富士市が連携し、本協議会を発足しました。  課題解決のため、4つのワーキンググループ(以下・WG)を設置し、検討を行っています。「働き方改革WG」では、業務環境の改善に向けた検討を実施しています。「生産性向上WG」では、デジタル化・ICT化の推進に向けた検討を進めています。「広報WG」では若手入職者の増加に向けた検討に着手しています。「防災WG」では、災害対応力の強化に向けた検討を開始しております。  本年度の成果として、「働き方改革WG」では、請負契約・入札などに関する改善(総合評価の評価項目の見直し、電子契約および電子保証の導入など)を進めました。「生産性向上WG」では、情報共有システムを導入・拡大した他、研修会などに参加しました。「広報WG」では、PR活動(ポスター・クリアファイル・シール・動画の作製、インスタグラム開設および投稿など)、出前講座などを実施しました。「防災WG」では、官民が連携した道路啓開訓練を継続・実施しました。  今後、「富士市建設産業活性化計画」を策定し、各WGの取り組みに対する目標や検討スケジュールを明確にした上で計画的に活動を推進していきます。取り組みの効果を高めるため、「働き方改革WG」と「生産性向上WG」を「働き方未来戦略WG」に統合し、「広報WG」、「防災WG」の3つのWGで継続します。WGのメンバーは、未来を担っていく20歳代や30歳代といった年齢層から選出し、活発に議論して意見が反映されるような雰囲気や仕組みを構築していきたいです。 ■2026年度の建設関係予算および主要建設事業についてお聞かせください。  26年度の建設関係予算のうち、普通建設事業費が163億4299万円となります。主要建設事業として富士駅北口再整備事業、市営住宅富士見台団地C棟全面的改善事業、富士川右岸緑地整備事業などを計画しております。 ■地元建設業者はじめ、市の行政に携わる企業に対するメッセージを。  地元建設業者はじめ、行政に携わる企業の皆さまは、当市における「社会資本整備の担い手」「地域の守り手」として、なくてはならない存在です。  地元建設産業の皆さまのお力添いをいただき、官民連携による道路啓開訓練の実施など、災害発生時の迅速な復旧活動体制の構築に努めています。建設産業は社会資本の担い手であり、災害が起きた時には地域の守り手であることは明白であり、取り組みは地域全体にとっても必要ではないかと考えています。地元建設業者の皆さまが加入しているさまざまな団体と当市がさまざまな分野において災害協定を締結しており、ご協力をいただけることは大変心強く感じています。  特に建設業界は、建築資機材の価格高騰や労働力不足など多くの課題を抱えていますが、富士市建設産業活性化協議会の活動において、皆さまからの貴重な意見や提案をいただきながら、共に課題の解決に向け注力していくので、引き続きご協力をお願いします。 <略歴> ★年齢:48歳 ★出身地:富士市 ★経歴:富士市立富士中学校、静岡県立富士高等学校、早稲田大学教育学部卒業、三菱電機株式会社、三井住友海上火災保険株式会社で計12年間勤務後、富士市公立中の学校教員として11年間勤務。2025年12月の市長選挙に当選、26年1月19日から現職。 ★趣味:コーヒーを飲むこと、風呂で歌うこと