スランプ値、仕様書明記を廃止 契約後に受発注者で協議・確認

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 国土交通省は、直轄工事で現場打ち鉄筋コンクリート構造物を施工する際、特記仕様書での「スランプ値の明記」を廃止する。積算上のスランプ値を参考値として提示し、契約後に受発注者で確認。施工条件を踏まえて協議し、必要に応じてスランプ値を指定できるようにする。4月1日以降に公告する工事から適用する。近く、関係する通知を発出する。  一般的な鉄筋コンクリート構造物の場合、現行ではスランプ値を12㌢とすることを標準としている。設計図書による指定や、施工上の必要性がある場合については、これまでも監督員と協議して変更できることとしていた。  今回の見直しにより、「配筋条件、運搬、打込み、締固め等の作業条件を考慮」した上でスランプ値を決定することを明確化する。ただし、使用するコンクリートの目標スランプが12㌢の場合、単位水量や単位セメント量、水セメント費を配合計画書で確認することとした。目標スランプが12㌢を超える場合には、これに加え、試し練りを行うことで品質を確保する。  標準的なスランプ値の見直しは17年以来、約9年ぶり。それまで8㌢だったスランプ値を施工性向上などを目的に見直して以降、国交省はスランプ値12㌢の浸透に注力してきた。近年は大部分の直轄現場でスランプ値が12㌢となっている一方、施工状況に合わせてスランプを柔軟に変更することまでは浸透していないという。特記仕様書での記載の見直しを通じ、こうした慣行を払しょくする。  合わせて、「流動性を高めた現場打ちコンクリートの活用に関するガイドライン」の解説・参考資料を改定する。土木研究所は、高流動な場合と一般的なコンクリートとで充てん性に関する比較実験を実施しており、その結果を踏まえて高流動コンクリートを適用すべき条件を整理・反映する。  高流動コンクリートを使用した工事で受発注者に実施したアンケート調査の結果を見ると、材料費は1・2~1・5倍程度に増加した。施工性の改善により労務費は10%以上削減できたが、型枠の新規制作費やプラント設備の改造費がかさみ、全体としてはコスト増となった。一方、省人化や工期の短縮、安全性向上といった目的は高い水準で達成。ポンプ配管の閉塞(へいそく)や材料の分離、不連続な打ち継ぎによるコールドジョイントなどは発生せず、適切な品質管理を行うことができたという。