「一般管理費」と労務単価 予定価格を押し上げるのはドッチ?
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このコーナーでは、ベテランたぬき記者の「ぽんせつ先生」が、知りたがりの九官鳥「キューメット」の質問に答えます(Q=キューメット、P=ぽんせつ先生)。
P.来年度に公共工事を発注するための準備が整ってきました。
Q.ん?準備ってナニ?大きく変わることがあるの?
P.国土交通省は、予定価格の算出に使う積算基準や、完成したインフラの品質・安全性を担保する技術基準などを毎年2~3月に見直します。地方自治体も国交省にならって基準を見直すところが大半です。中でも、積算基準は公共工事の利益率を左右する、建設業への影響が大きい基準の一つです。
Q.積算ね。たまに出てくるよね。
P.今回は、土木工事と建築工事の積算基準で「一般管理費等率」を引き上げました。土木工事は4年ぶり、建築工事は10年ぶりの見直しです。
Q.ナニソレ?難しそうな話じゃない。
P.一般管理費等は元請けの本社経費に充てられます。土木工事では、まず材料費や現場で働く作業員の賃金を積み上げ、直接工事費を積算します。このほかの共通仮設費、現場管理費、一般管理費は、積み上げた直接工事費をベースにパーセンテージ(率)を掛けて計算します。今回は、実態を調査した結果、一般管理費等を算出するための率を引き上げました。
Q.本社で働く人の賃金も上がったってこと?どのくらい引き上げたの?
P.直接工事費1億円の河川工事の場合、一般管理費等は160万円増加します。
Q.ふーん。本社の従業員の給料もそうだけど、現場の技能者や技術者の給料も上がってんでしょ?それは積算に反映されたの?
P.現場の技能者の賃金を反映するのが、公共工事設計労務単価です。労務単価は、直接工事費を構成する労務費の積算に使用されます。今回は全国・全職種平均で4・5%上昇しましたよね。労務費は予定価格全体のおおむね2割を占めますから、直接工事費1億円の工事では直接工事費を約150万円増加させることになります。
Q.え!?一般管理費のほうが労務単価より増えてるじゃん。
P.実際には労務単価の上昇は現場管理費や共通仮設費にも影響するので、労務単価は予定価格をさらに押し上げる効果があります。ただ、一般管理費等率は工事規模によって異なりますので、工事によってはさらに価格に与える影響は大きくなります。
Q.へえー。でも現場の技術者の賃金はどうなの?賃上げは反映されないの?
P.現場に配置される技術者の賃金は現場管理費に含まれますが、今回は見直されていません。業界側は、技術者の賃金も上昇しているとして、現場管理費率の引き上げも要望しています。
