積算の精度アップが鍵 都 設計等総合評価の価格点改定
東京
2026年1月以降の価格点算出方法のイメージ
東京都財務局と水道局、下水道局が設計等委託の総合評価方式による発注で1月に価格点の算出方法を改めた。以前は入札金額が基準価格を下回っても価格点が増えるようになっていたため、基準価格未満での落札が多発。都財務局はこれをダンピング受注に当たると判断し、入札金額が基準価格を下回れば価格点を減らす仕組みにした。受注を目指す参加者にとっては、入札金額を決める上でより高い精度の積算が求められるようになりそうだ。
以前の価格点は入札金額が予定価格から基準価格に向かって下がるにつれて増加し、基準価格と同額で27点に到達。さらに基準価格を下回ってもわずかながら増え続け、理論上は0円の入札金額に最大の30点を与える仕組みだった。
26年1月からはこれを改め、最大30点のピークを基準価格と同額に設定。基準価格を下回ればピークまでの増加と同じペースで減少するようにした。
都財務局によると、知事部局が競争入札で発注した予定価格100万円超の設計等委託の平均落札率は、23年度まで総合評価方式の方が価格競争よりも高い傾向にあった。都は価格競争での低価格受注を防止するため、23年10月に最低制限価格制度を導入していた。
建通新聞社が調べたところ、24年度には低入札価格調査制度を運用する総合評価方式と状況が逆転した。24年度の平均落札率は価格競争が85・4%、総合評価方式が79・2%で、価格競争の方が6・2ポイント高かった。この傾向は25年度の上半期も継続しており、価格競争が84・7%、総合評価方式が77・8%と、価格競争の方が6・9ポイント高い。
また、25年度の上半期に総合評価方式で委託先が決まった118件のうち、落札金額が基準価格未満だったのは95件と全体の80・5%を占めていた。平均して参加者の半数が基準価格以下で応札しており、少しでも価格点を増やして受注にこぎ着けようとする心理が垣間見える。
都財務局は、総合評価方式が過去の履行実績なども評価要素にしているとはいえ「入札金額が基準価格未満では適正な履行が確保されなくなる恐れがある」ため、基準価格を下回る入札金額の価格点を減らしてダンピング受注を防ぐことになった。
同じ仕組みは先行して20年度に工事の総合評価方式で取り入れている。都財務局は「基準価格を若干下回ったくらいであれば、落札者になっている」とのケースを引き合いに、設計等委託の総合評価方式でも基準価格付近に照準を合わせた応札は続くと推測する。
一方、参加者側はどう対応するのか。都内のある測量会社の代表は「入札金額を決める際、これまで以上に積算の精度が求められる」と語り、積算の感覚が最低制限価格を下回れば即失格になる価格競争に近づいていくとの認識を示した。
