建退共に複数掛金導入 労政審部会で検討本格化

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 厚生労働省は3月17日、労働政策審議会の中小企業退職金共済部会を開き、次回の部会から建退共制度の見直しについて本格的な検討に入ることについて有識者の了承を得た。1000万円以上の退職金支給を目指し、複数掛金制度の導入や掛金上限額の引き上げに向け、中小企業退職金共済法の改正に向けた議論を始める。  建退共制度については、勤労者退職金共済機構が2025年9月に報告書をまとめた。技能者をはじめとする労働者の処遇改善を目的とし、日額320円で単一の掛金日額を10円単位で事業主が上乗せできる複数掛金制度の導入や、最大掛金額の800円への引き上げを提言している。  電子ポイント方式を前提とし、建設キャリアアップシステム(CCUS)のレベル区分や労働条件などに応じて、事業主が柔軟に掛け金日額を選択できる制度への見直しを求めた。  有識者からは、複数掛金制度の導入に賛同した上で、「法改正に向けてスピードを上げて取り組んでほしい」と厚労省の迅速な対応を求める意見が多かった。  また、部会では、中小企業退職金共済(中退共)制度で基本退職金に上乗せして支払う付加退職金について、支給ルールの見直し案を妥当と認めた。納付された掛金の運用収入から付加退職金に充てる金額の上限を引き上げた。  現行の支給ルールだと、26年度の付加退職金額は54億円だが、新たな支給ルールが適用されると付加退職金は280億円となる。付加退職金支給率は0・0061で、2年ぶりの支給となる。厚労省は、新たな支給ルールの適用により、26~27年度に支払われる退職金が「7000~8000円程度増える」と見込んでいる(雇用環境・均等局勤労者生活課)。