手形廃止への対応「現金」最多 中小の電子取引にハードル

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 建設経済研究所(RICE)が全国建設業協会の会員企業を対象に実施したアンケート調査で、手形廃止時の対応として「現金払いに移行」との回答が48・5%を占め、最多となった。手形に代わる決済手段として全国銀行協会が普及を進めている電子記録債権(でんさい)を導入するとの回答は14・4%にとどまった。地域建設業にとって、決済手段の電子化には依然としてハードルがある結果となった。  調査は47都道府県建設業協会の会員企業を対象として2025年6~7月に実施し、1893件の回答を得た。  建設業が建設工事の下請け取引や建材の購入に広く使用してきた紙の手形は、27年3月に交換が終了し、実質的に廃止される。アンケートで支払い側の対応を聞くと、現金払いへの移行を挙げる声が最も多かった。電子記録債権の導入は14・4%、一時的な資金需要に対する銀行借入を挙げた回答は8・7%と少なかった。  でんさいの導入状況について聞くと、「導入する予定はない」が57・6%を占め、「導入済み」「導入予定」を大きく上回った。でんさいは取引相手がシステムに対応していないと利用できず、またシステムに対応する人員・人材確保が困難なためと見られる。RICEは「中小企業の電子化へのハードルの高さ」が背景にあると総括した。  個社へのヒアリング調査では、現金払いへの移行に当たって銀行側が柔軟に対応してくれたとの声もあった。  RICEは、今回の調査よりも小規模な企業などに手形廃止の影響を受ける層が潜在している可能性があるとし、資金調達リスク発生の恐れを指摘。でんさいへの移行促進には実務レベルの支援が必要になるとしている。