現場の通信環境整備費 負担明確化へルール検討

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 国土交通省は2026年度、直轄の工事現場で円滑な施工に必要な通信環境の整備に伴う費用負担のルールを検討する。トンネル施工や山間部のダム、砂防工事といった現場を念頭に、受発注者の負担の在り方を整理する。2025年度に日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)と行った意見交換で寄せられた意見を踏まえ、新たな検討課題に位置付けた。  国交省はi-Construction2・0の一環として、施工の自動化・遠隔化や、ICTによる高度な施工管理を推進している。一方、トンネル内や山間部といった電波の届きにくい環境でICTを活用するには、受注者が現場で個別に通信環境の初期投資を行う必要がある。発注者の費用負担する範囲を整理し、円滑なICT活用を通じた生産性向上につなげる。  遠隔臨場の実施に伴う通信環境整備については、費用負担が受発注者の協議対象であることを明確化する。遠隔臨場は原則全ての直轄土木工事に適用されており、費用は原則積み上げ計上の対象となっているにも関わらず、受発注者協議が行われていない事例があったことを受け、改めて周知することにした。  新技術・工法の実装に必要な費用の計上方法についても26年度に整理する。入札段階での見積もり方法や、契約後に追加的に生じる費用の工事価格への反映方法などを検討する。  監理技術者の途中交代制度については、地方整備局ごとに運用が異なるとの指摘を踏まえ、土木工事共通仕様書での記載を見直した。出産や育児といった交代の理由を限定せず、制度を活用しやすくすることで、若手技術者の育成・定着につなげる。  トンネル工事における技能者の働き方の見直しも検討事項とした。従来の3交替制による施工では若手の確保が困難になることから、日中のみの「一方施工」の導入に伴う課題を整理。工期の長期化や工事費上昇、切り羽の不安定化の恐れといった問題点が挙げられたことを踏まえ、26年度に専門工事業者にヒアリングを実施し、一方施工のメリット・デメリットや技術的課題を考える。  地元協議などの事情で打ち切りになる工事が増えているとの日建連の指摘に対しては、追加工事などにより、全体では受注者の利益を大きく損なってはいないとの見解をまとめた。26年度以降も、やむを得ず設計変更するような場面では受発注者のコミュニケーションをより一層丁寧に行うこととした。