労務費明示の見積書提出71% 元請けとの価格交渉で効果

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 国土交通省が2025年度に行った下請取引等実態調査で、元請けに対する見積書の交付状況を調べたところ、下請けの71・3%が労務費を内訳明示した見積書を「交付している」「おおむね交付している」と回答した。こうした見積書を提出した下請けの75・6%が、内訳明示した労務費を含む見積額の全額が支払われる契約を締結できたとも回答。内訳明示の見積書が、元請けとの価格交渉で一定の効果を発揮することが裏付けられた。  改正建設業法では、労務費など施工に必要な経費が内訳明示された見積書の作成を建設業者の努力義務とした。合わせて、労務費の基準を著しく下回るような見積もり・契約を禁止し、労務費確保の取引ルールを整備した。国交省は今後、労務費明示の見積書を提出する取引慣行のさらなる定着を促していく。  契約後、価格変動などを理由として「(元請けと)価格変更協議を行ったことがある」と回答した下請けは44・9%で、半数に満たなかった。一方で、協議を行った下請けのうち、元請けから価格の変更を認められた割合は90・4%に上った。  工期の設定状況についても質問した。工程ごとの作業・準備に必要な日数を示す工期の見積書を作成し、元請けに交付している下請けは48・5%と半数を下回った。ただし、元請けが設定した工期については、下請けの89・7%が「適当な工期」と回答した。工期変更の協議を行った下請けは87・1%と大半が認められた。認められなかった理由としては、「決められた供用時期を変更できない」が最も多かった。  今回の調査では、元請けから請け負った現場の閉所状況に関する質問も新設した。「4週8閉所」と回答した下請けは46・3%にとどまり、「4週4閉所以下」も19・5%あった。  元請けに対する質問では、発注者との取引状況について調査した。発注者から一方的に請負代金額や単価を設定されたことが「ある」とした元請けは12・7%で、発注者による指値など不適切な商慣行が疑われる結果となった。発注者から価格変更協議を拒否されたことが「ある」との回答も7・9%あった。  調査は25年7~9月に実施し、1万9964業者から回答を得た。一部でも不適切な回答のあった1万7207業者には指導票を送付し、是正指導を実施した。国交省は、見積書の減額や価格転嫁の協議拒否を受けたと回答した業者を対象に任意で情報提供を依頼しており、26年度の建設Gメン調査の端緒情報としても活用する。