NETIS本格運用20年 「推奨技術」設計変更対象に 現場実装、標準化に道筋

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 国土交通省は2026年度から、新技術情報提供システム(NETIS)で特に有用とされた「推奨技術」について、受注者が活用を希望した場合、柔軟に設計変更で対応する。本格運用開始から20年がたつのに合わせ、現場活用から事後評価を経て標準化に至るまでの道筋を確立させる。  直轄工事では、原則一つ以上の登録技術を活用することを原則化しており、年間の活用工事件数が6000件以上で推移している。5件以上で活用された技術は有識者による事後評価を経て活用促進技術に指定。その上で、「推奨技術」「準推奨技術」に指定されると、さらに導入を促進するため、積算基準類が整備される。  26年度からは、これに加えて推奨技術を積極的に活用する方針を打ち出した。発注者指定でなくとも、工事受注者が推奨技術の活用を希望した場合、柔軟に応じるよう新技術活用の要領を改定。NETIS登録した新技術を標準化し、現場の生産性向上につなげるステップを明確化した。  さらに、設計段階の新技術活用に関する手引きを策定し、4月から適用することとした。新技術を比較検討の対象として明確に位置付ける。設計業務の仕様書にも手引きを活用するよう記載し、設計段階から新技術活用が進むようにする。 ■新技術開発、実装のプラットフォーム化  今後は、NETISをインフラ分野の新技術に関する情報発信や実証現場の提供、基準類整備まで一元的に活用できるプラットフォームへと進化させる。道路、河川など分野ごとに分散していた技術開発に関する情報もまとめる。  一方、課題はNETISに蓄積された技術情報の活用だ。これまでに登録された技術は累計1万件超。原則10年で公開終了となるが、それでも現時点で約3900件の技術を公開している。  こうした膨大な技術情報を活用するため、国交省は第1四半期をめどに、NETISに人工知能(AI)検索機能を実装する。導入の目的や現場条件に基づき、掲載中の約3900件の中から適した技術を柔軟に選んだり、複数技術を比較できるようにする。  直近3カ年を見ると、登録件数は毎年500件以上となっている。NETIS開設当初は新規登録技術の大半が工法・製品だったが、22年度以降はITシステムの割合が拡大傾向にあり、直近では2割強を占めるに至った。  近年は電子小黒板や遠隔臨場といったシステム活用が進み、直轄工事では1工事で複数の新技術を併用する例も増えている。国交省は今後もNETISを通じて公共事業での新技術活用スキームを整備し、建設現場の生産性向上を進める考えだ。