災害応急対策で統一ビブス 建設業の社会貢献を可視化
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ビブス着用の試行現場(提供=国交省)
国土交通省は、災害時の建設業の役割を国民に視覚的に伝えるため、応急対応に従事する建設業者に統一的なビブスを提供する。地方整備局と災害協定を締結している建設業者の協力を得て、2025年度から通常の工事現場で試行的に着用してもらい、ビブスのデザインや効果を検証している。結果を踏まえ、26年度から本格的に運用を開始する。
災害の頻発化・激甚化により建設業が応急的に対応する機会が増える一方で、学識者からは自衛隊や警察、消防ほどに建設業の役割が認知されていない実態が指摘されている。国交省は25年度に協定企業を「TEC-FORCEパートナー」と位置付け、国職員で構成するTEC-FORCEと連携する立場にあることを明確化した。
統一的なビブスの着用は、建設業の社会的な役割を発信する新たな取り組みとなる。大規模災害時に全国から集まった建設業者が、国交省と連携して応急対応に当たっていることを視覚的に示し、地域での活動を円滑化する狙いもある。
統一ビブスは作業着の上から羽織れるようにし、正面と背面にはTEC-FORCEパートナーであることを示すロゴや、各都道府県協会名の反射材を貼り付けられるようにしている。協力を得られた全国の42工事で受注者がビブスを調達し、費用を積み上げ計上した。現場見学会などの際に、作業員がビブスを着用し、認知度向上につながるかを確認する。
試行現場では、見学会の来場者から「TEC-FORCEが政府の活動名称であることは知っていたが、建設業団体もその一員ということを初めて知った」といった声が寄せられた。災害時に自衛隊の活動が広く報道されることを受けて、「建設業者の活躍が報道されるよう、積極的にアピールした方がいい」という声も上がった。
現場代理人・監理技術者からも、ビブスを着用することで「被災者や地域住民に安心感や信頼感を与え、国の支援部隊が来たと認識してもらえる」といった意見が出たという。
今後、試行結果を踏まえてデザインを固め、国交省として本格的にビブスを調達する。災害が発生した際には国交省が応急対応を担うTEC-FORCEパートナーに貸与し、着用してもらう形で運用する。
