日建連、不動協が「協議体」発足へ 建築費高騰、人手不足の解決策探る

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 日本建設業連合会(日建連)の宮本洋一会長と不動産協会(不動協)の吉田淳一理事長は4月9日、受発注者が連携して建築費の高騰や建設業の担い手不足などの課題を解決し、持続可能な建設業と不動産業の実現に取り組むことで一致し、金子恭之国土交通相に協力を要請した=写真。両団体は円滑な意思疎通を図るため、協議体を立ち上げることを決めており、労務費の行き渡りや柔軟な働き方の確保、生産性向上、都市再生関係事業への支援措置の充実などをテーマに意見を交わす。  不動協は昨年11月、資材価格と労務費の上昇に伴い、再開発事業などの中断が相次いでいることを受け、日建連に緊急申し入れを行った。両団体は、こうした状況に改善の糸口が見つからないと、都市の国際競争力の強化、防災力の強化、環境問題への対応に支障が生じるとして、課題解決に向けた協議体を設けることで合意した。  国交省に対しては、協議体での議論に制度面、政策面での支援を求める。9日、日建連の宮本会長、不動協の吉田理事長と会談した金子国交相は、「建設業と不動産業はわが国の社会経済システムを支える基盤整備産業として、一体的に発展していかなくてはならない」と述べ、「建設投資の7割を占める民間工事でも、適切な価格転嫁を進めるべき。そのことが日本経済を前に進めることにもつながる」と強調した。  さらに、「受発注者が協議体をつくることは歴史的な試み。両団体の思いが実現するよう、最大限応援したい」と続け、国交省としての支援を約束した。  日建連と不動協が立ち上げる協議体では▽担い手の確保▽就労意欲に応じた柔軟な働き方の確保▽労務費の行き渡り▽生産性向上▽都市再生関係事業への支援措置の充実―などをテーマに意見を交わす。規格の標準化などで建築工事の生産性を高めることや、都市再生事業に対する国の財政支援の拡充などの議論を展開する。国交省にも制度的な支援を求める。  日建連の宮本会長は、「両団体が発注者と受注者を代表して率直に意見を交わし、相互理解を深めることが、その他の民間発注者にも広がり、建設工事のサプライチェーン全体に波及効果をもたらすはず」と、協議体が発足する意義を説明。  さらに、公共工事で進んでいるスライド条項や現場の週休2日を民間工事に広げる契機となることに期待を示した。  不動協の吉田理事長は、協議体での議論について「まずは建築工事の施工を取り巻く状況、課題を共有し、建築費を巡る課題について意見を交わしたい」と述べる一方、「コストを下げることだけが目的ではない」とも言及。再開発事業の中止・延期、計画変更が相次ぐ中で、「このままでは、国土強靱化や経済成長といった、社会的使命を十分に果たせない。両団体が協力し、社会課題の解決を一歩でも前に進めることが、将来世代にとって非常に大切だ」と力を込めた。