「月給制」でナニが変わるの? 若い世代が求める処遇とは

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このコーナーでは、ベテランたぬき記者の「ぽんせつ先生」が、知りたがりの九官鳥「キューメット」の質問に答えます(Q=キューメット、P=ぽんせつ先生)。 Q.新年度が始まったね。新入社員を街中で見かけることが増えたよ。 P.採用競争が激化している今、せっかく入社してくれた新入社員を定着させたいと考える企業が増えています。帝国データバンクの調査では、今年の4月入社の新卒社員の初任給を引き上げると回答した企業は全体の67・5%に上っています。 Q.物価も上がってるし、採用は厳しいし、給料上げないと定着してくれないもんね。 P.そうですね。建設業にとっては、賃金だけでなくて、賃金の支払い形態を見直すべき、という声が強まっています。 Q.支払い形態?どうゆうこと? P.建設業では、給与が稼働日によって異なる日給月給制の技能者が依然として多く残っています=グラフ参照。国土交通省の有識者会議は4月に発表した提言の中で、日給月給制が「処遇改善の阻害要因になる」「若者が入職をためらう」として、「月給制」に転換することを求めています。 Q.ナニが問題なの?月給制になると給与が増えるの? P.必ずしもそうではありません。月の稼働日が多ければ、月給制よりも日給月給制のほうが給与は高くなります。ただ、日給月給制の技能者は、現場の土日閉所が進むと稼働日が減り、給与も減ってしまいます。ここ数年の気温上昇により、夏季の働き方を見直す動きもありますが、猛暑日に休工になっても、日給月給制の技能者は給与が減ってしまいます。 Q.これからまた暑くなるしね。夏場は今までみたいに働けないよ。 P.日給月給制の技能者は、有給休暇や時間外労働に伴う残業代の支払いなど、労働管理が難しくなります。労働環境の悪化を招く恐れがあり、こうしたことを受け入れられない若い世代が増えています。若い世代の採用だけでなく、建設業で働く技能者の処遇の格差が生じているという指摘もあります。 Q.他にも問題があるってこと? P.日給月給制で報酬が不安定になり、失踪が増加したことを理由に、建設業で働く外国人を受け入れる企業には、月給制が義務付けられています。ここ数年、月給制の技能者が増えてきているのですが、この背景には月給制が義務付けられている外国人技能者の増加があるとみられています。  結果として、日本人は日給月給制、外国人は月給制という処遇の格差が生まれています。安定した収入を求める若い世代を受け入れるためにも、こうした格差を是正すべきだという声が徐々に強まっています。