インフラ分野のAI活用 国交省が率先導入へ方針
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国土交通省は、インフラ分野の人工知能(AI)実装に向けた取り組み方針の骨子をまとめた。インフラの発注者・管理者として、直轄河川・国道をはじめとした現場に率先してAIを実装する。AI学習に活用できるデータを官民で蓄積し、インフラサービスの高度化や暗黙知の継承に生かす。建設現場では、自律的に稼働する建設機械などのフィジカルAIの導入に向けて現場実証を進め、業務プロセスを改革する。
26年度上半期に開くインフラ分野のDX推進本部で方針を決定する。27年度以降を対象としたインフラDXの次期アクションプランに反映し、現場での活用を進める。
国交省は活用方針の骨子で、直轄現場を持つ強みを生かし、インフラ分野のAI実装をリードする姿勢を打ち出した。フィジカルAIの導入を柱の一つとし、センサーやカメラで周囲を認識し、自動的に稼働する建設機械の現場実装を進める。重点的な対象分野は土木施工と維持管理、災害対応としている。
現場の抱える課題に対応した技術を開発するため、直轄現場で検証する。必要な作業データや現場データのルールを定め、自動建機を前提とした業務プロセスへと見直す。
インフラ管理者の立場から、生成AIの活用を徹底することも方針の柱の一つとした。発注側の職員の業務負担を軽減して意思決定を効率化するとともに、提供するインフラサービスを高度化する。
施工だけでなく、測量・設計や工事発注、完成後の管理といった建設生産管理プロセス全体でAIの活用を進めるため、受発注者間でAI導入の機運を高める。現場条件や地域特性など、意思決定の背景にあるデータも含めて蓄積し、受発注者の暗黙知やノウハウを継承する。
AIの学習に利用するため、防災・インフラ関係のデータの蓄積と、利用しやすい環境づくりも進める。国土交通データプラットフォームをデータ連携の基盤とし、民間事業者や大学などの研究機関を巻き込む。国交省による政策立案だけでなく、民間の主体的なアプリサービスの開発などオープンイノベーションを促す。
既に、設計成果などの電子納品保管管理システムや、道路の3次元点群データ、事業評価カルテなどの情報が国交データプラットフォームには蓄積されている。これらのデータは、AIとの対話形式で抽出・分析が可能となっている。
