高年齢者の労働災害防止 元請けも「暑熱環境作業」に配慮

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 建設業労働災害防止協会(建災防、今井雅則会長)が行ったアンケート調査に対し、中小の元請け企業の69・7%が、高年齢者の労働災害防止対策に取り組んでいると回答した。元請けとして注意を払っている作業としては、労働災害が増加傾向にある「暑熱環境作業」や、墜落・転落によって死亡災害となる恐れが高い「高所作業」を挙げる企業が多かった。  建災防は、高齢化が進む建設業で高年齢者の労働災害が増加していることを受け、2024年度に「建設業における高年齢就労者の労働災害防止対策のあり方検討委員会」を設置し、26年度までの3年間で対策を検討している。  25年度は、全国中小建設業協会の会員企業を対象にアンケート調査を行い、165社が回答した。高年齢者を現場で就労させる際、協力会社への指示・指導といった労働災害防止対策を講じている企業は69・7%で、対策に取り組んでいない企業は「年齢に関係なく安全対策を実施」と回答した企業が多かった。  高年齢者に作業指示を出す際、元請けとして注意を払っている作業としては、「暑熱環境作業」を挙げる企業が81・8%で最も多く、「高所作業」の72・7%、「重量物運搬等作業」の49・7%が続いた(複数回答)=グラフ参照。実際の労働災害の発生状況を見ても、建設業の高年齢者の熱中症の死亡者数は23年に33・3%、24年に40・0%と増加傾向にある。  25年度は、大手建設業に対するヒアリング調査も実施。ヒアリングに応じた企業は、高年齢者が現場に入場する際に健康診断の受診状況、血圧などの健康状況を把握しているとしたほか、職長を通じた声掛けによって本人に自覚を促しているなどと回答。高所作業や重機運転作業などへの配慮を促しつつも、「(高年齢者に対する)作業制限は困難」と回答する企業もあった。  建災防は、今回の調査結果を踏まえ、元請けも高年齢者の健康状態・体力を確実に把握し、高年齢者本人に自身の健康状態を自覚してもらうことが重要とした。また、厚生労働省は、改正労働安全衛生法で高年齢者を雇用する企業に労働災害防止対策を講じる努力義務を課しており、建設現場の元請けも協力会社と連携しつつ、対策に取り組む必要があるとした。