東急不動産 再生建築ファンド組成 地方展開も視野に

東京

「COERU渋谷イースト」内観

 東急不動産(渋谷区)は、再生建築物件を対象とした私募ファンド「再生建築ファンド」を組成した。第1号案件として東京都内に「COERU渋谷イースト」と「COERU渋谷道玄坂」の2物件を組み入れた。いずれも2024年に建物の再生を完了している。26年度中にも第2号ファンドの組成を目指す。進出エリアは地方も含め検討する方針。設計は再生建築研究所(渋谷区)が担当する予定で、施工者は案件ごとに選定する。  旧耐震基準などの築古ビルを再生し、機能・仕様を新築水準まで引き上げた物件をファンドに組み入れる。躯体を活用することで新築に比べ工事費を3〜5割程度削減でき、工期も短縮可能となる。CO2排出量や廃棄物量の削減にもつながるという。  子会社の東急不動産キャピタル・マネジメントが運用し、SMFLみらいパートナーズ(千代田区)や第一生命保険(千代田区)、横浜銀行(横浜市西区)などが出資・融資で参画する。最大運用期間は5年。  「COERU」シリーズは都市型コンパクトビルで、オフィスや商業など用途を柔軟に組み合わせられるのが特徴。延べ床面積は200~500坪程度。  第1号案件のうち、「COERU渋谷イースト」は1972年に完成した旧耐震の施設で、当初は住宅用途だった。規模は鉄筋コンクリート一部鉄骨造6階建て延べ697平方㍍。  施設の一部を増築・減築し、ガラスファサードを設置。既存の躯体を生かしながら、床の一部を撤去して吹き抜け空間を設けるなどし、躯体重量を軽減することで耐震性を確保した。1階に飲食店が入ったオフィスビルに刷新した。  設計は再生建築研究所、施工はエフビーエス(中央区)が担当した。  所在地は渋谷区渋谷2ノ6ノ6。  「COERU渋谷道玄坂」は鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上10階建て延べ954平方㍍のビルで、1985年に完成したカプセルホテル。  外壁の一部をはつり、新たな開口部を設けることで採光性と眺望の良さを確保した。オフィスの他、サウナやホテル、飲食店が入居する。  設計は再生建築研究所、施工はGOOD PLACE(渋谷区)が担当した。  所在地は渋谷区道玄坂1ノ19ノ14。  2物件は、再生により空間性能や商品性を高めることで、新築同等の賃料水準を実現した。また、建物の機能性や市場競争力を踏まえた価値の指標「経済的耐用年数」を第三者機関が審査。再生建築により60年延長し、累計で100年超えと認定された。