自治体メンテ業務 地域建設業の共同受注が受け皿に

中央
 国土交通省は4月16日、社会資本整備審議会のインフラマネジメント戦略小委員会を開き、地方自治体の先進事例についてヒアリングした。栃木県建設業協会は、県発注の道路・河川維持管理業務を協同組合が受注する「維持管理統合業務委託」を導入し、仕事量の安定確保と平準化につなげたことを説明。地域建設業の力を生かす同方式が、県内市町村や近隣県からも維持管理の受け皿として関心を集めている現状を報告した。  栃木県の共同受注方式は、栃木建協が支部単位で協同組合を設置し、県が発注する道路や河川の維持管理業務を受託するもの。実際の業務は組合員企業が組合の1次下請けとなって請け負う。公共事業量の減少や担い手不足、発注者側の技術職員減少を契機として、2010年に初導入した。  栃木建協の田城均専務理事は、地域で安定した仕事量を確保できた点や、通年発注による業務の平準化といった効果があったとした。  県は維持管理業務を公募型プロポーザル方式で発注し、競争性に配慮。当初は大手ゼネコンなど単独で受注の意向を示す企業もあったが、広域・24時間のインフラ管理を1者でまかなうことは難しく、辞退したという。地元への精通が求められる維持管理で、地域建設業の強みが示された形だ。  一方、組合員が1者でも事故などで指名停止措置を受けると組合そのものが指名停止になってしまう課題もある。維持管理だけでなく豪雪や豪雨などの緊急対応を含めて代替できる業者がいなくなるため、行政も頭を悩ませているという。  県内市町村からの引き合いもあるといい、既に宇都宮市は同方式を導入。茨城県も関心を示しており、同県の建協と意見交換を開くなど、共同受注方式が浸透しつつある。  発注側からは、島根県益田市が地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)の実践例として、近接する2町と連携して河川の橋梁点検業務を発注した事例を発表した。山本浩章市長は「地元の中小企業単体では受注が難しい業務もJVで受注してもらい、なるべく地域で完結できるようにした」と話した。  京都大学経営管理大学院の小林潔司特任教授は、地域の建設業者が不在の市町村もあるとし「そもそも競争できるマーケットになっていない」と指摘。1社が独占できる地域公共交通を例に、「組合がバス会社のように一手に引き受けるような制度設計もあっていいのでは」と述べた。  政策研究大学院大学の家田仁特別教授は、全国の地域建設業について、「社員の育成力や設備投資のための資産など、かなり体質改善が必要ではないか」と発言。共同受注などの取り組みを、建設業の体質強化につなげる必要があるとした。