都 砧公園でAI活用の樹木点検 三井住友建設のシステム使用

東京

都の職員がタブレットで樹木を撮影

 東京都建設局は4月17日、砧公園(世田谷区)でAIを活用して樹木を点検する様子を報道関係者に公開した。同公園での度重なる倒木を受け、樹木の状態を効率的に把握するための新たな試み。都の担当者は「まだ実証段階で課題も残っているが、システムの完成を待っているわけにもいかない」とコメント。今回の試みで有効性が確認できれば他の公園への展開も検討していく。  使用したのは三井住友建設が開発中の樹木リスク評価システム。タブレットやスマホで樹木の写真を撮影してクラウドのサーバーにアップロードすると、AIが「樹勢」「樹皮の状態」「キノコの有無」のリスク項目から▽至急、専門家の確認が必要②専門家の確認が必要③経過観察④おおむね健全―の4段階で総合評価する。  樹木点検員によるスクリーニングを効率化するとともに、人によるばらつきをなくして均一に評価できるという。三井住友建設ではまず、撮影した樹木の位置情報を自動で地図データと連携する「デジタル台帳」を2026年度内に先行販売。続いて27年度にAIリスク評価システムを加えた製品としての販売を目指している。都はこの技術を「先行的な取り組み。国土交通省の『民間提案型官民連携モデリング事業』にも選定され、他の自治体でも実績がある」と評価した。 ◇ ◇ ◇  砧公園での倒木事故を巡っては、4月9日に樹木医による診断を始め、16日までに約5000本ある対象樹木のうち236本の診断を完了。その中で57本は倒木の恐れがあるため伐採し、96本は機器を用いて詳しく診断することを決めた。都の担当者は「状態の悪いものから優先的に見ているため(倒木などの)割合が高く出ている。診断の分母が増えていくと割合は減っていくだろう」とみており、引き続き樹木医の診断を進めていく。  都では都立公園内の倒木などを防ぐため、樹木の日常的な巡回確認に加え、年に1回の頻度で樹木点検員に認定された職員が目視で確認している。ここで問題がある樹木は経過観察の対象とし、さらに問題があれば樹木医による▽外観診断▽精密診断▽根系診断―を実施する。  一方、都立公園にはかなりの数の樹木があり、点検に相当の時間を要している。また、樹木医や都の職員が減少する中で効率的に状態を把握するため、積極的に新しい技術を取り入れていく必要があると考えている。