「成長する建設業」検討会新設 月給制、繁閑対策議論に期待

中央
 国土交通省は4月27日に開いた中央建設業審議会の総会で、持続的に成長する建設業の実現に向けた検討会を今夏に新設する方針を示した。有識者と建設業団体から委員を選定し、1年間にわたる議論を経て建設業界のビジョンと、あるべき建設業政策を打ち出す。中建審の委員からは、技能者の月給制の普及や、業務量の繁閑差対策を巡る議論の進展に期待する声が上がった。  検討会では、建設業が持続的に成長する産業となるための政策を議論する。4月に「今後の建設業政策のあり方に関する勉強会」がまとめた成果を踏まえ、▽労働市場から信頼・評価される「人を大事にする産業」▽高い生産性を備える「経営力のある産業」▽女性、若者が将来を託せる「未来に続く産業」―の三つを柱に、法制度の見直しや業界慣行の改善について話し合う。2017年にまとめた「建設産業政策2017+10」の進ちょくも検証する。  27日の会合で、日本建設業連合会の宮本洋一会長は、日建連がまとめた『建設業の長期ビジョン2・0』で「建設業がさらに進化する道筋を提言した」と発言。国交省が新設する検討会や、検討会のワーキンググループで積極的に意見を発信する考えを述べた。  全国建設業協会からは、今井雅則会長に代わり、山崎篤男専務理事が出席し、日給制が週休2日制や猛暑時の変形労働時間制の導入を妨げていると指摘した。繁閑差がある中、月給制を実現する上で「業界内で技能者を融通できる」仕組みに期待を示した。建設業の生産性向上には利潤の確保が必要だとし、公共工事の入札制度見直しも求めた。  日本空調衛生工事業協会の藤澤一郎会長は、日空衛・日本電設工業協会が代表する設備分野について、公共・民間工事を問わず「果たすべき役割が高まっている」と発言。今後の建設業に関わる議論に積極的に参加する意向を示した。  建設産業専門団体連合会の岩田正吾会長は、現在の専門工事業が抱える課題を「仕事の量に波があり、それによって単価が安定しないこと」とした。業務量の平準化に加えて技能者の稼動率を高める工夫が必要だとし、経済学者を招いて他産業の対応を聞くよう求めた。  中建審では、「労務費の基準」のフォローアップについても議論した。全国中小建設業協会の土志田領司前会長は、労務費を技能者にまで行き渡らせるには「発注者がしっかり意識しないといけない」と強調した。労務費の原資が目減りしないよう、公共工事では「予定価格の100%に近い金額で落札できるようにしなくてはならない」とも発言。給与、休暇、希望の新3Kの実現に向け、活発な議論を呼び掛けた。  日建連の押味至一副会長は、「労務費の基準」のベースとなる公共工事設計労務単価について、実態調査を反映して算定する現行方式からの見直しを提案。「政策的な引上げ」について検討を求めた。  日建連と不動産協会が建築費高騰や担い手不足への対応を協議する場の立ち上げを決めたことも報告した。日建連の宮本会長は「サプライチェーン全体でウィンウィンの関係を構築する」とし、鉄道など他の民間発注者への波及に期待を示すとともに、国の関与を求めた。