数量減、打切り3割で発生 予算制約で契約変更できず 日建連調査

中央
 日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は、会員企業が施工している現場で、当初契約からの工事数量の減少や工事の打ち切りが発生しているとの調査結果を明らかにした。会員企業に対する調査で、回答した現場の27%で数量減や打ち切りが発生していた=グラフ1参照。予算の制約によって契約変更できず、当初契約で想定していた出来高をこなせない工事が依然としてある。  2024年10月から25年9月に施工中の工事や竣工した現場307件が回答した。数量減や打ち切りが発生した現場のうち、6%の現場では、受注者の資材・人員のロスによる利益減など、悪影響が発生していた。日建連の前年度の同じ調査では、回答した現場の40%で数量減・打ち切りが発生しており、前年度に比べると改善傾向にある。  背景には、2014年度以降、政府の当初予算に計上されている公共事業費が6兆~6・1兆円の横ばいで推移していることがある。予算が横ばいで推移する中、急激な資材価格と労務費の上昇により、発注件数が減少している。  15年度を基準として資材価格・労務費の変動を表す建設工事費デフレーターで補正すると、24年度当初予算は4・73兆円となり、実質的に1・37兆円減少したことになる。  国土交通省の直轄工事のうち、日建連の会員企業が受注するWTO案件も大幅に減少している。2022年度は当初契約額が4745億円、契約件数が259件あったが、24年度は3401億円、159件となり、金額ベースで28・3%、件数ベースで38・6%減少している=グラフ2参照。  実質的な事業量の減少により、契約変更に必要な予算にも制約が生じ、数量減と工事の打ち切りが発生している。こうした事態が発生すると、想定していた配置技術者の工事実績減少、予定していた協力会社への影響など、受注者の損益以外にも悪影響が生じる恐れがある。  日建連は、こうした実態を踏まえ、当初予算に計上する公共事業費の増額を要望。加えて、補正予算からスタートする複数年度事業にも債務負担行為を活用できる「事業加速円滑化国債」の予算規模を拡大し、適切な規模・工期を確保した発注を求めている。また、数量減や打ち切りが発生しないよう、契約変更に必要な予算の確保も求めている。