GW明けの供給正常化は不透明 建築用塗料製品 〈連載〉中東情勢と建設資材
東京
マンションの大規模改修などで使用する建築用塗料製品は、中東情勢の悪化に伴って市場への流通量が著しく減っているという。政府は4月半ばに供給見通しのめどを立てたとする一方、塗料の販売業界からはゴールデンウイークが明けても正常化しないとの観測が聞こえてくる。製品の受注停止や値上げにとどまらず、工事が一時的に中断するケースなども起きており、国に支援融資制度を求める声が出始めた。
塗料製品の供給に関して、赤沢亮正経済産業相は4月17日の閣議後の会見で、「塗料用シンナーや住宅設備などのサプライチェーンの目詰まり箇所を特定し、供給見通しのめどを立てた」と話した。
ある塗装業者は「流通が滞っていた製品の一部は出回り始めている」との実感から、「ゴールデンウイーク明けには商品の流通が正常に戻っていくだろう」と予想する。
実態はどうか。塗料販売業者で構成する東京塗料商業協同組合(東塗商)によると、3月末ごろから塗料製品のメーカーに発注しても「納期が分からない」と回答されるようになったという。一時期は製品の納入がゼロに近かったものの、4月22日前後から若干数、納入されるようになった。
ただ、納入が通常時の15%程度にとどまっていることなどから、塗装業者の需要に応えられていないと見ている。東塗商の神山秀雄副理事長は「メーカーから(生産の)見通しを立てられないと聞いている」ため、「ゴールデンウイークが明けても通常に戻ることはないだろう」と先行きの不透明さを口にした。
建築用塗料製品の現状を個々に見ると、シンナーは専門メーカーが既に受注を停止している他、シンナーも製造している塗料メーカーでは受注を制限している。洗浄用の再生シンナーは納入の見込みが薄い。
塗料については、上塗り用などはある程度入ってきているものの、下地用やさび止め用についてはメーカー側に生産のめどが立っておらず、受注を停止している。
価格も上がっている。シンナーは35~50%の幅で上昇。塗料は溶剤系が既に値上がりしており、水性系も一部のメーカーがゴールデンウイーク明けの値上げを表明した。
建築用塗料製品が手に入らないため、マンションの大規模改修工事が中断したり、着工を延期したりするケースも出てきた。中断や延期によってリース代などの固定費が増えれば、施工者の資金繰りの悪化を招く恐れがある。
塗装販売業者も塗装業者も中小企業が多くを占めている。東塗商の神山副理事長は「早急に(中東情勢の悪化に特化した)支援融資などの施策を国に打ち出してほしい」と訴えた。
