全建が金子国交相に緊急要望 中東情勢悪化で資材価格上昇、供給遅延 価格転嫁への不安解消を

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 全国建設業協会(全建)の今井雅則会長は4月30日に国土交通省を訪れ、中東情勢の悪化に伴い、資材価格の高騰や供給遅延が発生しているとして、金子恭之国交相に石油関連製品の目詰まり解消や適切な価格転嫁の実現を緊急要望した=写真。資材価格の高騰が発生し、工事の中止・遅延が避けられないとして、工事の一時中止と工期延長、代替資材への柔軟な変更を求めたほか、適切に部分払いを実施して受注者の資金繰りの悪化を回避するよう求めた。  全建は、建設工事で使用する主要な資材と石油関連製品など71品目を対象として、会員企業に価格変動や供給制限の実態を調査。特に、アスファルト類や塩ビ管、外装用塗料、接着剤などの価格上昇が著しく、「価格上昇は一時的ではなく、構造的に続く見込み」といった回答もあった。  塗料、断熱材、防水材、塩ビ管などでは、出荷制限や受注停止、数量割当も広がっており、工期の遅延や仕様変更の発生も懸念されている。  調査結果を踏まえ、全建がまとめた要望書では、「受注者の責によらない建設資材の供給不足、供給遅延が発生しており、工事の中止や遅延が避けられない状況」と、建設工事の施工への悪影響を不安視。工事遅延に伴い、発注者からの完成時の支払いも遅延すると、元請けの資金繰りにも悪影響が生じるとして、国交省に円滑な施工への支援を求めた。  具体的には、塗料、住宅設備、仕上げ材、塩ビ管、接着剤、シーリング材など、石油関連製品の供給の目詰まりの解消を図り、建設資材の需給状況の改善を要望。資材価格の高騰に対応するため、公共工事では実勢価格の調査頻度を高め、適切に設計変更を実施すべきとした。スライド条項の手続きの簡素化や受注者が負担する残工事費1%分の撤廃・引き下げも求めた。  民間工事では、改正建設業法の「おそれ情報」に基づき、適切な価格転嫁を図るよう、発注者に指導することも要望した。  当初契約通りに資材が調達できない場合には、速やかに工事の一時中止を適用し、工期延長や代替資材への変更を行い、それらに伴うコストも設計変更で発注者が負担することを要望。工期延長に伴い、元請けの資金繰りが悪化しないよう、受注者の求めに応じて部分払いを適切に実施するよう求めた。  金子国交相は、「塗料やシンナーの流通の目詰まりを解消するよう、総理指示を受けて対応している」と述べた上で、「流通の目詰まりが発生している資材について、供給面では不安がなく、従来通りに生産するよう、政府としても発信している」との見解を示した。 さらに、「資材価格の調査頻度の引き上げ、スライドにおける購入価格の採用、納期が遅れた場合の工事の一時中止や設計変更にもしっかり対応する」と、円滑な価格転嫁に力を入れる考えを語った。