「特定技能2号」 受入れ上限数から除外 課題はスキルアップ支援

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28年度までの受け入れ数上限は、育成就労と特定技能1号の合計で19万9,500人となる(27年度も残る技能実習生は計数の対象外)

 政府は4月、外食分野の特定技能外国人が上限数に達する見込みだとし、新規の受け入れを停止した。当面、建設分野の上限数には余裕があるとされているものの、建設業界には今後の外国人受け入れに対する不安もある。特定技能2号に移行すれば上限数の対象から外れるため、技能や日本語の習得といった外国人材のスキルアップをいかに円滑に進めるかが今後の課題となる。  建設分野の受け入れ上限は、特定技能1号が2024~28年度で7万6000人、育成就労が27~28年度で12万3500人。建設分野の特定技能1号の在留人数は25年末時点で4万9000人を超え、上限の65%に当たる。実際には育成就労と合算で判断されるため、すぐに上限に達することはない。  一方、特定技能2号に移行すると在留期間に制限がなくなり、受け入れ上限の対象からも外れるため、国内で受け入れ可能な外国人材の拡大にもつながる。  ただし、そのためには、各専門工事業団体が定める一定の実務経験に加え、特定技能2号評価試験か技能検定1級(相当)への合格が求められる。さらに、育成就労制度が始まる27年4月以降は日本語能力B1相当以上の試験合格も必要になる。  個々の受け入れ企業だけでは、十分なスキルアップ支援や日本語教育の提供は難しい。外国人材の長期的なキャリア形成が課題となる中、鍵となるのが建設技能人材機構(JAC)による外国人材育成支援の取り組みだ。  JACは正会員である専門工事業団体が実施する国内の技能検定研修や、国外での日本語研修などを対象とした支援事業を展開。例えば、日本ツーバイフォー建築協会の枠組壁建築技能検定では、受験テキストをベトナム語・インドネシア語に翻訳し、受験予定者に無料で配布した。多言語の音声・字幕に対応した実技対策の研修動画を提供したり、事前講習会を開いたりした。  25年度の枠組壁建築技能検定の受験者は149人、合格者は62人となり、いずれも前回(23年度)の3倍超に増加した。このうち約半数を外国人が占めた。同協会は「非常に大きな実績」と歓迎する。  日本語能力の向上に向けた支援では、母国語で学ぶ日本語講座や資格取得のための日本語教育、建設現場で使う日本語など9講座を提供。25年度の受講者は前年度から倍増し2120人となった。 ■特定技能の「2号予備軍」に1万人超  さらに、25年度には特定技能1号・2号評価試験のサンプル問題を大幅に拡充するとともに、試験の受験機会も拡大。受験者数・合格率ともに上昇し、2号評価試験の合格者は前年度の10倍を超える1万0776人となった。言わば、1万人超の「2号予備軍」が確保された形だ。  技能検定1級への合格や日本語能力の向上、特定技能2号評価試験への合格には一定の時間を要する。安定的に外国人材を確保するためには、技能実習・育成就労の段階からキャリアステップを整え、外国人材を長期的に育成することが重要になる。