名駅再開発 投資規模縮小へ

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会見を行う髙﨑裕樹社長

 名古屋鉄道(名鉄)は5月15日、名古屋駅地区の再開発計画について、「投資規模を縮小していく前提」で検討を進める方向性を明らかにした。工事の難易度や社会情勢に対するリスクを下げることで、事業の実現性と財務健全性を高める考えだ。名古屋市や愛知県、JR東海などを交えた協議が進む中、名古屋駅前の再開発は一つの転換点を迎えたことになる。  見直しの方向性は、同日に開いた2026年度の設備投資計画に関する会見の中で明らかにした。名鉄の髙﨑裕樹社長は、検討を「あらゆる角度から行っていく」と強調。名鉄名古屋駅の4線化を含めた「鉄道駅の在り方」も改めて検討していくと話した。施工難易度が高いとされた従来の計画からは、「担い手を幅広く確保できるような」形へと見直しを図るもよう。事業の方向性として掲げていた〝公共交通の利便性向上と、魅力ある「まちづくり」「地域づくり」に取り組む姿勢〟は、「変えることなく推進」するとしている。  また、事業に対する新たな外部パートナーの導入についても、協力の内容を定めずに、並行して検討していく方針。  方向性の決定時期については「可能な限り早期に固めたい」としたものの、本年度中としていた公表時期については、変わらず本年度中に示すとの考えを維持した。その他、名駅再開発に向け、資本効率の向上と財務体質の強化を図っていく考えも明らかにした。具体的には、これまで対象外としていた賃貸・事業用不動産を含めた不動産売却、資本効率性と採算性が低い事業の再建・再編などを挙げている。 【26年設備投資 単体では51%減】  2026年度設備投資計画では、名鉄単体で446億円を計上。前年度からは51・6%の減となった。開発事業は前年から82・5%減の109億円を充当。名鉄グループ全体では、31・2%減となる1225億円を計上している。  中核の鉄道事業には、前年度比19・1%増の336億円を計上。投資項目では、例年通り「安心・安定輸送確保」と「駅・車両の快適性・利便性向上」の二つを柱に据えている。このうち、安心・安定輸送確保には180億円を投じ、高架化工事や高架橋柱の耐震補強などを実施。高架化では、知立駅(名古屋本線・三河線)や喜多山駅(瀬戸線)など5駅付近での工事を実施する。知立駅付近については、本年度中に名古屋本線(下り線)の高架切り替えを予定。また金山駅では、ホームドア設置のための駅改良工事を実施する。  駅・車両の快適性・利便性向上には、155億円を投入。東岡崎駅の自由通路の設置に合わせた駅上駅化、豊田市駅の北口開札の新設などを行うとした  109億円を充てる開発事業では、24年9月に閉館した名鉄岐阜駅の商業施設「ect(イクト)」のリニューアルを実施。東岡崎駅の再開発計画については、29年度の完成を予定している駅北口の複合施設の開発を、岡崎市と連携しながら進めていくとした。