「特定荷主」建設業に周知急ぐ 5月末期限、未届けに罰則も

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 国土交通省は、年度の取扱い貨物の重量が9万㌧以上の事業者を対象とした「特定荷主」の指定制度について、建設業者への周知を急ぐ。全国で数百社程度が該当するとみられるものの、足元の届出は10件に満たない。基準重量を上回る事業者が届出を行わない場合は50万円以下の罰金が科される可能性もある。5月末の届出期限を前に、説明会などを通じて制度を浸透させる。  特定荷主の指定は、トラックドライバーの働き方改革に向けて4月に全面施行した物流効率化法に基づくもの。特定荷主は全産業で3200社程度が見込まれ、このうち建設業者も数百社程度が該当するとされる。貨物の種類を問わず、自動車を用いた運送事業者に運送を依頼したり、受け取ったりする取扱い貨物の総重量が年度当たり9万㌧以上の場合に対象となる。総重量が基準を超えるかどうかは、事業者が自ら算定し、判断する必要がある。  建設業の場合、元請けや下請けとして運送業者に運搬を依頼している鉄骨や生コンクリート、木材をはじめとした建材が該当し得る。ただし、建設業者が自社の工事に使用する資材を自社のために運搬する場合は貨物運送事業者への依頼とならないため、該当しない。また、個々の工事や現場単位ではなく、事業者としての年間の取り扱い規模が判断の基準となる。  特定荷主に該当する場合、建設業者が指定に関する届出を主な事業所の所在地を所管する各地方整備局に提出する。その後、国から特定荷主としての指定を受けることになる。  特定荷主になると、役員など経営幹部から物流統括管理者を選任しなくてはならない。その上で、中長期計画の策定や定期報告の作成、トラックドライバーの負荷軽減に向けた事業管理体制の整備、運送・荷役の効率化に向けた設備投資などの事業計画の作成が義務付けられる。  建設業の場合、資材を運搬するトラックが現場付近で入場までの荷待ちをすることなどが、ドライバーの労働環境を悪化させる課題として指摘されている。建設業者は、物効法に基づきこうした荷待ち時間の短縮や積載効率の改善といった対応が求められる。  国交省は周知徹底に向け、5月18日に制度説明会をオンラインで開催する。