落札者8割超が賃上げ表明 直轄工事の加点措置浸透
中央
国土交通省は、賃上げを表明した企業に対する総合評価落札方式での加点措置の2024年度までの実施状況をまとめた。競争参加者と、落札者の両方で賃上げ表明企業が占める割合は継続的に上昇しており、特に落札者では初めて8割を超えた。国交省は26年度公告分の工事から賃上げ企業に対する加点幅を縮小しており、賃上げ表明企業の占める割合が今後も高水準を維持することも予想される。
賃上げ表明企業に対する加点措置は、国の機関の発注工事で21年度から一律に実施している。総合評価落札方式を適用している全ての案件で、大企業には3%、中小企業には1・5%の賃上げ目標を設定。競争参加時に今後1年間の従業員への賃上げを表明すると加点される。表明企業が受注した場合、事後的に賃上げ実績を確認し、未達の場合に以降1年間の総合評価で減点される。
24年度の国交省直轄工事の実施状況を見ると、重複を除いた実競争参加者数のうち賃上げ表明企業は3163者で、割合は74・7%。前年度からは1・8ポイント上昇した。
同様に、落札者に占める賃上げ表明企業は2175者で、割合は81・1%となり、前年度からの上昇幅は2・3ポイントとさらに大きかった。
一方で、22年度から23年度にかけて競争参加者数に占める賃上げ表明企業の割合は6・1ポイント、落札者に占める割合も4・0ポイント上昇していた。24年度も賃上げ表明企業の裾野は広がっているものの、上昇の勢いに落ち着きも見られる結果となった。
競争参加者に占める表明企業の割合を工種別に見ると、一般土木とアスファルト舗装、公共上部工、橋梁補修、維持修繕が全工種平均の74・7%を上回った。特にアスファルト舗装が91%、鋼橋上部が94%となるなど公共工事のウエートが大きい工種ほど、賃上げの表明率が高い結果となった。
また、年平均の落札件数が多い企業ほど表明率が高い傾向も見られた。年平均の落札件数が2件以上とコンスタントに直轄工事を受注している企業では、賃上げ表明企業の占める割合が9割を超えた。
国交省は今年4月以降に公告する工事から、賃上げ表明企業に対する加点割合を従来の5%から3%に引き下げた。ただし、他省庁では大企業に対する加点措置を廃止した一方、国交省は中小企業と大企業が競合する等級もあり、競争の公平性を確保するとして加点措置を継続する運用を行っている。
