山本浄二氏(やまもと・じょうじ=国土交通省京浜河川事務所長)

東京
 大正時代から続く事務所の52代目所長。1997年の河川法改正を受けて「住民団体との話し合いの場をいち早くつくり上げた『元祖パートナーシップ事務所』」なだけに、「地域との関係性を維持しながら発展的に事業を進める」と意気込む。自然災害の激甚化・頻発化を踏まえ、「何百年に1回の超過洪水を想定外から想定内にする」との意識を持って業務に当たる。  プライベートを含め全国のさまざまな河川を見てきた。その中でも多摩川は、街から大都会のど真ん中を流れる川を見下ろせる点で「すごく価値が高い」と評価する。このため「民間とも連携し、もっと人が集まって、さらににぎやかな場になれば」と展望。沿川のアリーナ建設計画にも期待を寄せている。  ただ、多摩川は急流河川。想定氾濫区域内に人口と資産が集積していることから、「2月に変更した河川整備計画のメニューを早く進めていかなければならない」と対応を急ぐ構え。  一方、鶴見川については、全国に先駆けて取り組んだ総合治水によって「安全度が上がり一段落ついたように見えるが、決してそうではない」と指摘。「今一度原点に返って流量を少なくすることも大事」だとし、沿川の開発計画を引き合いに「街づくりと一緒に水をためる場所をつくれれば」と方向性を説いた。  モットーはぎりぎりアウト狙い。「行政は堅くなりがちなので、そのくらいでちょうどよくなる」と笑う。  【略歴】90年神戸市立工業高校土木工学科卒、同年近畿地方建設局(当時)。近畿地方整備局大和川河川事務所長、国交省水管理・国土保全局河川計画課企画専門官、同局治水課企画専門官を経て4月から現職。56歳。兵庫県出身。