市住宅政策審議会 高経年住宅の維持・再生のあり方を市長に答申

神奈川

答申書の手交式

 川崎市住宅政策審議会(会長・川崎一泰中央大学総合政策学部教授)は5月20日、市内の高経年マンションの維持・再生のあり方について福田紀彦市長に答申した。ハード面の対策として、築40年以上のマンションの改修・建て替えの検討、長期修繕計画作成の技術的支援などを提言した。答申を受けて福田市長は、「再生促進に関する施策の不足など、市の現状と課題を認識することができた。今後は答申を参考に、必要な対策の早期事業化に向けて検討していく」と話した。  2024年度の諮問に基づき、審議会ではモデルマンション3件での建て替え・修繕のシミュレーションや自他都市の取り組み状況の調査分析を実施。市のマンション政策は、管理適正化に比べ再生促進関係の施策が不足していることが判明した。一方で、マンション管理の常設相談窓口「ハウジングサロン」(川崎市住宅供給公社が運営)を設けていることを強みとする。マンション自体の状況として、築年数が古いほど長期修繕計画の作成率が低く、給排水管の劣化などが進んでいることが分かった。  これらの結果を踏まえ、今後必要となる対策を提言。ハード面では、築40年以上のマンションの改修・建て替えの検討と、管理上の問題がある「要改善マンション」の長期修繕計画作成の技術的支援などを挙げた。管理適正化・再生促進に関する対策のパッケージ化、マンション管理組合への維持管理状況の見える化の周知・啓発、維持・再生についてワンストップで相談対応できる仕組みづくりなども盛り込む。  また、ハード面の対策に応じたコミュニティ形成のあり方の類型化や、居住者同士のつながりの促進支援などソフト面の対策についても提言した。  25年時点の市内のマンション件数は約3000件。このうち築40年以上の高経年マンションは約680件で、今後も継続的な増加が見込まれる。加えて世帯主の年齢別割合は65歳以上が32・6%で最も高く、いわゆる「二つの高齢化」が進行している。  居住者の高齢化は管理組合の運営停滞につながり、建物管理不全による老朽化・陳腐化とエリア資産価値の低下など多くの問題を生むため、市は管理組合への啓発を含めたマンション政策の構築を進めている。