遠隔地からの労働者確保 労務費割増を自治体に周知

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 国土交通省は、災害被災地の復旧工事で不足する労働者を補うため、遠隔地から確保する場合に労務費を割増しする試行的な積算方法を地方自治体に周知する。既に直轄営繕工事では3月から試行しており、営繕積算方式の活用マニュアルにも反映。今後開く営繕主管課長会議などの機会をとらえ、実情に応じた適切な工事費を積算するよう促していく。  営繕工事の労務費の割増しは、国交省が3月から導入した。能登半島地震の被災地で予定している3件の営繕工事を対象に適用するとしている。  大規模災害の被災地では、一時的に被災建物の建て替え需要が急増し、労働者が不足しやすい。労働者を遠隔地から確保せざるを得ないものの、能登半島の先端部のような地域では宿泊施設が足りず、労働者が毎日自動車で通い、早朝に出発して深夜に帰宅するような事例も多いという。  そこで、国交省は、監督職員と受注者の協議により、作業時間を標準の8時間よりも短縮して設定することを可能とした。その上で、短縮した時間に応じて労務費に割増し計数を乗じる7時間~7・5時間の場合で6%、4~7時間で14%の割増しになる。  今後3年間で復旧工事が集中することを想定し、対応を求める業界の声を踏まえて試行することにした。既に、石川県には要領を参考送付しており、県も活用に前向きだという。  国交省はこれまでも、災害被災地などの営繕工事を対象に、不足する労働者を遠隔地から確保して現場付近で宿泊させる際に宿泊費や工事現場へ送迎するための費用や、賃金以外の食事などに充てたり、当初想定と異なる遠隔地から建設資材を調達する際に必要な費用を積み上げ計上する積算手法を実施している。  今回、試行導入した労働者が遠隔地から通勤する場合の労務費割増しと合わせて、これらの試行的な積算手法を石川県以外の自治体にも周知する。災害からの復旧などで労働者や資材の確保に苦慮するような事態に備え、特に半島部など条件不利地域で活用を促す。  営繕積算方式にはこの他、猛暑を考慮した労務費の割増しも新たに盛り込んだ。これまでも作業不能日を見込んだ工期を設定していたが、26年度からは作業中断による労務費の増額分も当初積算に盛り込む。こうした直轄営繕工事の新たな積算方法についても、自治体の発注工事で活用するよう促す。