XR・スマートヘルメット 災害対応時の新技術に指針
中央
国土交通省は、災害対応時に作業員の現場判断を支援するツールとして、スマートヘルメットや「クロスリアリティー」(XR)といった新技術の活用を検討する。スマートヘルメットを装着した作業員に災害対策本部から音声・データで速やかに指示を出したり、XR技術で被災前の状況の3次元データを現場に重ね合わせて表示し、被害を効率的に把握するような手法を想定。2026年度に現場で試行し、事例集・導入ガイドラインをまとめる。
通常の工事現場では、遠隔臨場や地元説明といった場面でスマートヘルメット・XRの活用が試行的に進む一方、災害対応での導入例は限定的となっている。こうしたツールを生かし、円滑な復旧や2次災害の防止につなげる。国交省と災害協定を結んでいる建設業団体の会員企業(TEC-FORCEパートナー)が、道路・河川といったインフラに関する災害調査や応急復旧を実施する場面で、有効活用するための方策を検討する。
災害対応時は、情報の限られる厳しい条件下で迅速・柔軟な判断が求められる。一方で、災害の広域化に伴って地元以外の地域で災害対応を求められる事例も増えており、不慣れな環境での適切な現場判断が課題となっていた。
作業員が被るスマートヘルメットは、装着したカメラで現場から本部にリアルタイムで映像を送ったり、スマートグラスに参考となる情報を表示したりできる。こうした機能を生かし、本部と現場で常時、情報を共有したり、現場で作業員が判断に迷った際に本部が指示したりできるようにする。
また、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)といったXR技術の現場実証も想定。国交省は直轄道路や河川の3次元点群データの収集を既にほぼ完了している。災害時に被災地の現況データと重ね合わせることで、容易に被災箇所を特定したり、安全性を評価することができる。スマートグラスにこうしたデータを表示し、作業員が円滑に現地の調査や復旧作業を行えるようにする。
消防庁と連携し、同庁のドローンで取得したデータを作業員支援に活用することも検討する。
ニーズ調査や現場試行の結果を踏まえ、新技術活用の事例集と導入ガイドラインをまとめる。試行結果のデータは関連する製品のメーカーやソフトウエアベンダーに提供し、防災技術の市場拡大につなげる。
調査の実施に向け、政府の事前防災対策総合推進費として2200万円の採択を受けた。
