都水道局 25年度のスライド適用は288件
東京
東京都水道局が2025年度にスライド条項を適用し、設計変更に応じた工事は、24年度に比べ38件(15・2%)増の288件だったことが、建通新聞社の調べで分かった。同局契約課では増加の要因について調査を行っていないが、担当者は「賃金や物価の上昇が影響しているのではないか」と話している。
内訳は全てインフレスライドで、単品スライドの案件はなかった。適用された工事の業種は大半が配水小管の敷設替えや配水本管・送水管の新設といった「水道施設工事」だった。
都内で水道施設工事を受注する企業の代表は「ほとんどの会社がインフレスライドを請求し、水道局はしっかりと対応してくれている」と評価する一方、単品スライドの適用がないのは「手続きが複雑で中小企業では請求が難しい。簡素化してもらえると利用しやすくなる」と指摘する。
水道局はスライド条項の請求が可能な、稼働していた現場の件数を明らかにしていないが、本紙の調べでは23~25年度の3カ年で契約した工事の平均件数は年間約850件だった。
24年度にスライド条項を適用した工事は250件で、内訳はインフレスライドが247件、全体スライドが1件、インフレスライドと全体スライドの併用が2件となっている。
スライド条項は工事契約の締結後に賃金や物価が変動し、契約金額が不適当になった場合、受発注者間で協議の上、契約金額を変更できる制度。
単品スライドと全体スライド、インフレスライドの3方式があり、水道局は23年1月16日以降、単品スライドとインフレスライドの二つを運用している。ただ、23年1月16日以前に請求していた場合は、全体スライドを適用するケースもある。
また、国が3月に適用する新設計労務単価への特例措置として、2月28日までに契約を締結したが3月1日時点でまだ工事に着手していない案件については、インフレスライドを準用することとしている。
ただ、この場合は新・旧それぞれの設計労務単価で積算した残工事金額の差分に対して、旧設計労務単価で積算した残工事金額の1%を手数料として差し引いたものが契約金額となる。残工事の内容が少ない場合、手数料を差し引くとマイナスとなることがあるため、水道局との協議を経て、請求を取り下げる場合もあるという。
