総合評価と品質 関係検証 受発注者に改善点調査も

中央
 国土交通省は、直轄工事での導入から20年がたつ総合評価落札方式について、完成した構造物の品質向上に寄与しているかを改めて検証する。この一環として、公共発注者・受注者に対するアンケートを2026年度内に実施する。総合評価落札方式が品質に及ぼす効果について聞くとともに、課題や改善策について意見を募る。手続きに伴う負担感についても把握したい考えだ。  5月27日に開いた、発注者責任と建設生産・管理システムに関する懇談会で表明した。座長の小澤一雅政策研究大学院大学特別教授は、20年間の間に公共工事を取り巻く状況が大きく変化したとし、「このままのやり方でいいのか」と問題提起した。  総合評価落札方式と品質との関係については、技術提案評価型や施工能力評価型といったタイプに応じ、品質向上に貢献しているのかを確認する。成果物が完成したときの工事成績だけでなく、完成から一定期間がたった後の状態も品質に関わるとし、国交省が保有するデータを元に総合評価との関係を検討する。  総合評価に関するアンケートのうち、受注者向けは日本建設業連合会と全国建設業協会の加盟企業を対象に実施する。発注者については、国交省を中心とする方向だ。いずれも、経営者や管理職ではなく、受発注の実務に携わる個人の意見を求める。総合評価を巡る国交省のアンケートとしては、制度の運用開始から間もない08年度に実施して以来、約20年ぶりの大規模な調査となる。  懇談会委員で弁護士の大森文彦氏は、技術提案評価について受注者を選定するための仕組みであるとし、必ずしも成果物の成績に関連しない点を指摘した。  木下誠也社会基盤マネジメント研究所代表理事は、西日本高速道路会社が調査基準価格付近に入札が集中することへの対策として、重要度の高い工事で評価の仕組みを変えたことを紹介。「国の仕組みは変えなくていいのか」と述べた。  大橋弘東京大学副学長は、競争を促すような発注手法は、事業者の市場参入が見込める環境で効果を発揮すると発言。担い手不足などで事業者が撤退する傾向にある場合、「新しい調達方式の在り方を検討することもあり得る」との考えを示した。  全国建設業協会は、若手技術者評価など技術力に直結しない政策的な評価項目が多いとし、入札参加条件に取り入れる方が有効との見方を示した。