高まる技術者不足の懸念 〝新しい技術者像〟模索すべき

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 建設現場に従事する技術者の不足や、高齢化に伴う技術継承への懸念が徐々に強まってきている。現在も、技術者数は全国的に横ばいで推移しているものの、地域によって不足傾向が強まっていることに加え、現場の中核を担う中堅層の空洞化も進んでいる。  建設業技術者センター(CE財団)が2025年度に行った調査で、過去15年間の監理技術者の増減率から、30年の監理技術者資格者証の保有者数を都道府県別に予測した。東京都や大阪府などの都市部の技術者数は増加するものの、特に地方で監理技術者の減少が進む見通しだという。  全都道府県で減少率が最も高い徳島県では、10年に4961人だった監理技術者が、30年に4077人となり、17・8%減少する見通しだ。CE財団の徳島県内業者に対するヒアリングでは「技術者の高齢化は技能者よりも進行しており、10年後には深刻な技術者不足に陥る」といった声も聞かれた。  さらに「大手ゼネコンが地方まで採用の手を広げており、給与や福利厚生で太刀打ちできない」と、採用への不安を口にする回答者もいた。  技術者に対する懸念は、地域建設業に限ったものではない。大手ゼネコンは、2010年代以降、新卒採用に力を入れたため、20代の若年層の技術者が増加しているが、30~40代の中堅層が圧倒的に不足している。  結果として、現場に配置されている監理技術者は50代のベテラン技術者が占める割合が高く、技術の継承やベテラン技術者の将来的な退職への不安は強い。  こうした不安の反面、技術者個人に求められる役割は依然として重い。建設業法では、技術者に適正な施工と品質・安全の確保を求め、現場への配置や専任を義務付けている。特に配置技術者が少ない現場では、技術者一人ひとりがさまざまな役割と責任を背負う。  こうした実態を踏まえ、国土交通省は、4月にまとめた有識者会議の提言で、技術者個人が負う責任を現場単位で最適化することや、現場のチーム力を最大化する方向へと技術者制度を見直す方針を打ち出した。受発注者双方で、技術者の現場業務の負担を軽減するため生成AIを導入する動きも進んでいる。  人口減少に歯止めが掛からない以上、建設業の若手採用は今後さらに厳しくならざるを得ない。技術者個人に頼るのではない、新しい技術者像を業界を挙げて早期に模索しなくてはならない。