死亡6人増、17人が確定 東京の25年建設業労災
東京
厚生労働省東京労働局は5月29日、2025年に管内で発生した労働災害の確定値を発表した。建設業では997人が休業4日以上の労働災害で死傷し、うち17人が死亡。前の年の24年に比べ死傷者数は38人減で、1000人を切って過去最少の20年と21年(各978人)に次ぐ少なさだった。一方、死亡者数は6人増で、過去最少の24年(11人)から増加に転じた。26年に入って死傷、死亡のいずれも増加傾向を見せているため、東京労働局は26年度の全国安全週間(7月1~7日)に合わせた建設現場の集中指導などを通じて労働災害防止対策の徹底を図る。
25年に死傷した997人の業種別状況は建築工事業が604人(前年比83人減)、その他の建設業が216人(31人増)、土木工事業が177人(14人増)。その他の建設業で30人以上、土木工事業で10人以上増える一方、建築工事業が80人以上減ったことで全体の減少につながった。
事故の型別では「墜落・転落」の296人(15人減)が最も多く、うち6割強の195人は2㍍未満の高さから落ちて被災した。続く「はさまれ・巻き込まれ」の132人(8人増)は最多の年齢帯が20代の37人となっている。次いで「転倒」の126人(2人減)は最多の年齢帯が60代以上で43人、経験期間帯が20年以上で39人と、高齢者やベテランが被災するケースが目立つ。「高温・低温の物との接触」は44人(15人増)で、うち39人は熱中症が原因だ。
997人中150人(20人増)は外国人労働者だった。
また、死亡した17人の業種別状況は建築工事業が9人(3人増)、土木工事業が5人(3人増)、その他の建設業が3人(前年と同数)で、建築工事業と土木工事業の増加が全体を押し上げた。
事故の型別では最多の「墜落・転落」が7人(6人増)に上った他、「崩壊・倒壊」が4人(4人増)、「はさまれ・巻き込まれ」が3人(前年と同数)で続いた。これら以外に▽「交通事故(その他)」で1人(1人増)▽「激突され」で1人(1人減)▽「高温・低温の物との接触」で1人(2人減)―が命を落とした。死亡者の最多の年齢帯は50代、経験期間帯は30年以上で、それぞれ5人となっている。
26年の状況は4月末時点で死傷者数が前年同期比6人増の229人、死亡者数も同2人増の5人と増加傾向。このため東京労働局は5月に大手建設事業者や建設工事関係者との連絡会議を開いて労働災害の防止に取り組むよう要請した。
また、全国安全週間の準備期間に当たる例年6月に700カ所前後の建設現場を管下の労働基準監督署が集中指導している。25年6月は696現場で実施し、6割強の428現場で法令違反を確認した中で、76現場に作業停止命令などの行政処分を科した。
―増田局長 墜落・転落を防がねば減らない―
東京労働局の増田嗣郎局長は労働災害の確定値や全国安全週間の取り組みを発表した当日の会見で、25年に建設業で墜落・転落による死亡者数が大幅に増えたことなどを挙げて「墜落・転落を防いでいかないと(建設業の労働災害は)減少しない」と強調。このため26年度の全国安全週間に合わせた集中指導も墜落・転落の防止に重点を置いて対策の徹底を図る考えを示した。
対象の建設現場については「どのような災害がどのような現場で起きているのかをしっかり踏まえた上で選定する」と説明。墜落・転落が発生しやすい高所作業を行っているなど、個々の進捗率も確認して決める見通し。7月3日には自ら建設現場をパトロールする予定だ。
