「人」 平井親一さん 国土交通省中部技術事務所長

中部

平井親一さん

 4月に着任するまでは、浜松市役所に出向し、土木部長として地方行政の最前線に立った。そこで実感したのは、全国2位の面積を誇る浜松の圧倒的なスケール感。「とにかく広い。都市部から広大な山間地域まで、市域が広がっており、国土の縮図のようだった」と振り返る。  必然的に、管理するインフラの規模が違うため、「職員だけでは全てに手が回らない」という現実とも向き合った。さらに現場で突きつけられたのは、地方のインフラ自体の脆さだ。台風でなくとも、日常的な雨で路肩の崩落や倒木による停電が起こる。人手が不足する中で、そのような〝日常の危機〟から地域社会を守り続ける2年間だった。  この2年間があるからこそ、技術事務所長として、地域社会への貢献に対する想いは強い。「出先機関として、地域に寄り添い貢献し、信頼される組織でありたい」。職場内では明るく風通しの良い環境を整えつつ、外に向けては技術を磨くことで、「頼られる人材と組織」を目指していく姿勢だ。  その姿勢が最も発揮されるのが災害対応。「災害対策用の機械を持たない自治体が少なくない中、技術事務所が保有する機械をただちに現場へ配備し、地域社会の早期復旧に貢献することが重要だ」と指摘する。  「市町村が安心を感じることができ、『何かあれば国交省にお願いすれば』と思ってもらえるようにしたい」。見据えるゴールは明確だ。 【略歴】名古屋工業大学社会開発工学科卒業。87年建設省中部地方建設局採用。19年大臣官房技術調査課建設技術調整室課長補佐、21年中部地方整備局愛知国道事務所所長、24年浜松市土木部長を経て現職。名古屋市出身。57歳。