日建連、不動協の協議会発足 建築費高騰 要因は設備価格 重層下請構造の解消必要

中央

左から、吉田理事長、金子国交相、押味会長

 日本建設業連合会(日建連、押味至一会長)と不動産協会(不動協、吉田淳一理事長)は6月1日、建築費の高騰や建設業の担い手不足について話し合う協議会の初会合を開いた。中断・延期が相次いでいる再開発事業の円滑化など、優先課題について1年後に方針を整理する。不動協は初会合で、重層下請構造が建築工事のコスト構造を分かりにくくしていると指摘し、解消に努めるよう要請。日建連は建築費上昇の要因として、サブコンの人手不足や設備価格上昇が大きく影響していると説明した。  協議会は、建築費の上昇に伴い、特に都市部で相次ぐ再開発事業の中断を巡り、不動協の申し入れを受けて発足した。「持続可能な建設業及び不動産業の実現に向けた協議会」として、労務費の行き渡り、柔軟な働き方の確保、生産性向上、都市再生関係事業への支援措置の充実などをテーマに意見を交わす。  初会合の冒頭、不動協の吉田理事長は、再開発事業が中止・延期になっていることに触れ、「この状況が続けば、国土強靱化や経済成長を阻害しかねない、由々しき事態になる」と改めて危機感を示し、協議会での議論に期待感を示した。  日建連の押味会長は「今後、生産年齢人口が大きく減少する中でも、建設業がその役割を持続的に果たすため、発注者、元請け、協力会社などの関係者が問題意識を共有し、解決に取り組まなければならない」と強調。「まずはサプライチェーンの先頭に立つ発注者と、元請けが良好なパートナーシップを築くことが重要」とし、両団体が相互理解を深める考えを示した。  協議会には、国土交通省もオブザーバーとして参加する。初会合に出席した金子国交相は、中東情勢の悪化に伴う建設資材の供給不安解消が重要課題だとし、「このような状況で、日建連と不動協が連携を強化することは大変意義深いことだ」と協議会発足を歓迎。「民間工事の受発注者のパートナーシップ構築と連携強化のリーディングケースとなってほしい」と出席者に呼び掛けた。  不動協は1日の初会合で、建築費高騰の要因が建設業の重層下請構造によって分かりにくくなっていると指摘。発注者が支払った工事費についても、適切に下請けに行き渡らず、人手不足の解消につながっていないとの懸念を示した。  日建連は、重層下請構造の改善に努める考えを示す一方、建築費高騰の最大の要因がサブコンの供給制限と設備価格の上昇にあると説明。特に電気設備と空調設備は技術者・技能者のいずれも人手不足感が強いとした。さらに、不動産業界の理解を得た上で、設計段階からBIMを活用したり、プレハブ化を促進したりすることで、生産性向上を図る必要性を訴えた。  不動協はまた、建設業界が推進している4週8閉所にこだわらず、シフト制を組んだ4週8休によって働き方改革を推進するよう求めた。