クマ被害対策 中部ブロック初の関係省庁連絡会議

中部

中部環境事務所・田中次長

 環境省中部地方環境事務所は6月5日、中部地方整備局や東海農政局などと、中部ブロックの「クマ被害対策等に関する関係省庁連絡会議」を名古屋市で開いた。中部では初の開催。大きく増加しているクマとの遭遇や、人的被害を防ぐために各省庁が取っている対策などの情報を共有した。  当日は、中部環境事務所管内の国土交通省・農林水産省・林野庁の関係地方支分部局から10局の担当者が参加。管内のクマ出没状況などについて、同環境事務所と信越自然環境事務所が説明した後、各局がクマ被害対策の取り組み状況などを報告した。  開会に当たり、中部環境事務所の田中準次長=写真=は「近年、クマの出没が増え、25年に死亡事故数が過去最多となるなど深刻な事態となっている。国としても対策を進めているが、現場では地理的状況や周辺環境、個体の性格を踏まえ、きめ細かく慎重な対応が必要。地方自治体も含めて連携し、総合的な対策をとっていくことが求められる。今回は国の機関だけだが、この会議を地域全体で連携していくための足がかりにしたい」と述べ、協力を求めた。  同会議で示された資料によると、中部地方環境事務所管内では、23年に3808件、24年に3932件だったクマの出没件数が、25年に4950件と大幅に増加。人身被害こそ増加していないものの、許可捕獲数は23~24年の900頭台から25年に1753頭と倍増している。  中部3県(愛知・岐阜・三重)では、特に岐阜県の出没数・捕獲数が顕著で、23~24年に600件台半ばだった出没件数が25年には1104件と倍増。23年に166件、24年に189件だった許可捕獲件数は、25年に458件と約2・5倍になっている。人身被害も3年間で14件発生しており、山間部の工事などでは注意が必要な状況だ。  会議後、中部地方整備局河川管理課の林昌広課長に話を聞くと、同局でも「山間部などで作業する施工者や、調査・設計の担当者、職員などに安全対策を実施するように周知している」とコメント。クマ対策スプレーなど装備品の配備や、対策事例集の配布を進めていると説明した。また、安全協議会などの会議に専門家を招き、被害を回避するための措置や、遭遇を想定した訓練なども実施しているようだ。今後も、連絡会議などで得た情報などを踏まえ、さらに対策の充実を図っていくとしている。