「単品スライド」で価格上昇分請求 受注者の1%負担はナゼ?

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このコーナーでは、ベテランたぬき記者の「ぽんせつ先生」が、知りたがりの九官鳥「キューメット」の質問に答えます(Q=キューメット、P=ぽんせつ先生)。 P.ホルムズ海峡が封鎖されてから3カ月がすぎました。 Q.最近この話題ばっかりだけど、ホントにいつになったら終わるんだろうね。品不足も心配だけど、値上げが止まらないよ。 P.原油の価格上昇や供給不安の影響が幅広い資材に広がっています。原油を原材料とするストレートアスファルトなどの価格上昇を受け、5月の再生アスファルト合材の価格は、全ての地区で上昇しました。 Q.値段が上がったら価格転嫁するんでしょ。 P.公共工事には、特定の資材の急激な価格変動に対応する「単品スライド」という仕組みがあります。工期が2カ月以上残っていれば、特定の資材の価格上昇分を発注者に請求することができます。対象は、鋼材類、燃料油、コンクリート類、アスファルト類などです。 Q.請求すれば支払ってもらえるんでしょ。安心じゃん。 P.必ずしもそうではありません。資材の実勢価格や購入金額の変動額を算出し、変動額が請負金額の1%を超えた品目については、請求の対象になります。 Q.1%ってナニよ? P.資材価格が上昇しても、請負代金額の1%を超えないと申請できないということです。 Q.え!そうなの?中東情勢は建設業のせいじゃないじゃん!ちゃんと価格転嫁しようよ。 P.受注者負担の1%は、公共工事契約標準約款の天災不可抗力条項を根拠としています。施工中の現場に災害などで損害が発生した場合、請負代金額の1%までは受注者が負担するというものです。ただ、この条項は2022年に改正され、災害などの損害は発注者が100%負担することになっています。 Q.だったらいいじゃん。単品スライドの1%負担もやめちゃおうよ。 P.国会に参考人として招かれた法学者も、「公共工事は発注者が責任を持って完成させることになる。(単品スライドの1%分は)発注者負担が妥当」と答えています。ただ、この制度では、物価の下落局面で発注者が減額スライドを請求することもできます。受注者の1%負担を廃止すると請求件数が大幅に増え、受発注者双方の事務負担も増えます。 Q.まあ1%だからいいか。 P.そう簡単ではないんです。請負代金額1億円なら100万円ですから。利益率が1%低下するのは決して軽いことではありません。中東情勢の影響が広がっている今、防衛省では、特例として受注者負担を軽くする仕組みを導入しました。建設業界からも受注者負担1%分の廃止を求める声も出ています。