26年度から基本設計 高月浄水所の更新 都

東京

工事中の高月浄水所(八王子市資料より)

 東京都水道局多摩水道改革推進本部は高月浄水所(八王子市)の更新に向けて、2026年度内に基本設計をスタートさせる見通しだ。更新後の計画処理能力を日量1万7000立方㍍とし、都の浄水施設では初となる直接ろ過方式の導入を想定している。水処理実験施設で同方式の状況を確認した上で基本設計に反映させるため、早くても夏ごろの発注になる。29年度の工事着手を目指す。  高月浄水所の所在地は八王子市高月町400。多摩川水系の秋川と敷地周辺の伏流水から原水を取水し、高速凝集沈殿方式(急速ろ過方式)で処理して八王子市の北部に1日当たり最大3万2000立方㍍を配水できる。市が建設して1966年から稼働している。2006年度に都へ移管された。  令和元年東日本台風の影響で秋川の取水塔が流出したため、現在は伏流水のみが原水となっている。  水道局の「東京水道施設整備マスタープラン」(26年3月策定)によると、多摩地域の浄水所は更新に併せて原水の水質に応じた適切な浄水処理方式へ変更する方針を示している。  その中で高月浄水所に関しては、21年度に東洋設計(千代田区)で更新に向けた基本検討を実施。最適な処理方式の選定作業を進めた結果、伏流水の水質が良いことから「直接ろ過方式」が候補に挙がった。  直接ろ過方式は沈殿池を省いて凝集・砂ろ過のみで処理する。施設をコンパクト化できるとともに、整備コストも下がる効果が見込まれる。  基本設計に先立ち、高月浄水所内に直接ろ過方式の水処理実験施設を設けて適切に処理できるかどうか確認する。エステムが水処理実験施設の設置と実験を27年9月までの工期で担当。既に設置を終えており、年間を通じた実験の中で特に伏流水の濁度が上がる夏場の状況をチェックする考えだ。  基本設計は26年度当初の時点で6月に公示する希望制指名競争入札(業種=土木設計)で委託先を決め、300日の履行期間で成果をまとめてもらう予定だった。ただ、水処理実験施設から得られる直接ろ過方式のデータを反映させる必要があるため、発注時期は早くても夏ごろになる見通し。