岐阜県測量設計業協会会長に就任した市橋政浩さん

中部
 子どものいる家庭の家族旅行と言えば、一般的にテーマパークや遊園地、キャンプなどを想像するが、市橋家の家族旅行では、全国の土木施設を巡る、いわゆる「インフラ見学ツアー」が普通だった。  中学生の時の家族旅行で、香川県と岡山県に架かる瀬戸大橋を初めて見た時、「こんなすばらしいものが人間に作れるんだ」と衝撃を受けたことを今でも鮮明に憶えている。それ以来、土木の世界にどっぷりとハマった。  世の中に必要不可欠なインフラ施設。黒子の役割ではあるが、インフラ整備において、その最上流で関わる測量・設計という仕事に人一倍誇りを持つ。「目立たないけれど、なくてはならない存在というところがかっこいい」。  建設関連産業全体の課題でもあるが、この業種もまた担い手不足や技術継承という問題を抱えており、協会の会員企業数もピーク時から減少している。「若い世代にこの仕事の魅力をどう伝えるかが重要」と危機感をにじませる。  一方で、課題解決のカギは業界の内側だけに目を向けないことだと考える。「同類業者だけでなく、これまで全く関わりのなかった他業種とも交流を持ち、世界・視野を広げて新しい考え方や働き方を取り入れていきたい」。  50歳という若さで6代目会長に就いた。「協会は会長一人が動かせるものではない」と考え、「皆が主役になり、風通しの良い、参加しやすい組織」を目指す。昨日の常識が今日は通じないという激動の時代。若きリーダーの手腕に大きな期待がかかる。 【略歴】いちはし・まさひろ 1975年生まれ。早稲田大学理工学部卒。2008年に大日コンサルタント入社、20年に同社代表取締役就任。岐阜市在住。趣味はスポーツジム通い、息子のアメフト観戦など。