岡部哲夫さん(おかべ・てつお=アーバン黒岡工業代表取締役)

東京
 父親の逝去を受けて4月に社長を引き継いだ。葬儀には400人以上が参列、150基もの花が供えられた。「人を大切にしてきたことの表れだろう」と、故人の思いを受け止めてくれた人たちに感謝する。実際、亡くなる直前まで付けていた手帳には、会社や従業員、家族に対してやるべきことが書き込まれていたという。  面倒見の良さが経営にとっては甘さにつながることもある。杉並区に本社を構え、約70年の歴史を持つ解体企業だが、職人への給与外の資金援助など経理上あってはならない支出も判明した。「まずは当たり前のことをやって、安定的に利益を上げる会社にしたい」と、従業員の反発は覚悟の上で経費削減と社内の引き締めに努める。  「行動力が私の取りえ」。気になることがあればすぐ客先や現場に出向き、資格が大阪や名古屋でしか取得できないと聞けば、遠方もいとわずに駆け付ける。社長就任後は多忙を極め、休暇は日曜日の午後にやっと取れる程度で、「現場調査や石綿調査が息抜き」という。杉並区出身、52歳。