ナフサ由来の建設資材 追加費用を設計変更で対応 国交省
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国土交通省は6月16日、直轄工事の受注者がナフサ由来の建設資材を調達する際に必要になった追加費用について、設計変更で対応する運用を開始した。請負額の1%に相当する受注者負担が発生する単品スライドだけでなく、設計変更でも対応できるようにし、必要額を速やかに価格転嫁する。金子恭之国交相は同日に開いた会見で、「受注者が柔軟に資材を調達できる環境を整え、安心して施工できるようにする」と述べた=写真。
既に契約した工事を含め、中東情勢の影響を受けた建設資材を使用する全ての直轄工事に適用する。同日付で、地方自治体にも運用の詳細を参考通知した。
2月末に始まったホルムズ海峡の実質的な封鎖により、シンナーや塗料、塩ビ管といった建設資材のメーカーは相次いで価格を引き上げた。これに対し、国交省は直轄工事でスライド条項に基づく価格転嫁の手続きを実施してきた。一方、受注者からは、塗料や塩ビ管だけで必ずしも請負額の1%に届かず申請できないことや、手続きの煩雑さを訴える声が上がっていた。
国交省が今回打ち出した運用により、受発注者協議に基づく設計変更で変動額を請負金額に反映できるようになった。設計変更を認める具体的な事例としては、▽ナフサ由来の特定の建設資材の調達が困難になったことに伴い、代替資材を調達▽施工場所での調達が困難になったことを受け、遠方から設計図書通りの資材を調達▽流通状況を踏まえたロット変更など、追加的な経費を投じて設計図書通りの資材を調達―といったパターンを想定している。
16日以降に入札契約手続きを実施する工事については、特記仕様書で「調達検討資材」として、想定する規格や数量、単価の適用年月と地区を記載する。受注者が資材の調達に要した費用の証明書類を監督職員に提出し、設計図書や積算上の数量を上回った場合に設計変更を認める。必要になる工期も合わせて変更する。
建設資材を遠隔地から調達する際などに要する追加的な費用について、設計変更で対応する運用は、東日本大震災の復旧・復興工事でも取り入れていた。今回、建設資材の供給の急激な偏りや、流通の目詰まりといった課題が生じたことを受け、直轄工事の円滑な施工・受注を可能とするため、適用を決めた。
米国・イランは6月15日、戦闘終結に関する覚書を交わすことに合意したと発表した。今後、ホルムズ海峡の封鎖が解除されれば、ナフサをはじめ石油化学製品の不安定な供給は緩和する見通しだ。
一方で、いったん高騰した資材価格が落ち着くには時間がかかると見られる。2021年に発生したウッドショックでは、輸入価格が従前の水準に戻っても、国内で建設業者が調達する価格は高止まりする傾向があった。直轄工事だけでなく、自治体や民間の発注工事においても、円滑な価格転嫁は引き続き大きな課題となりそうだ。
