川崎競馬組合 トレセン移転先候補に横須賀のワイハート地区選定

神奈川
 【横須賀】神奈川県川崎競馬組合(川崎市川崎区)は、トレーニング・センターの移転先候補地として、横須賀市にあるワイハート地区を選定した。土地面積は約89・5㌶。今後、地権者の西武不動産(東京都豊島区)と売買に向けた話し合いを進めるとともに、横須賀市と行政手続きについて協議する。多摩川河川敷にある現施設では水害の頻度が高くなっていることから、早期の移転整備を目指す。  ワイハート地区は横須賀市衣笠町、山科台、太田和5丁目地内に位置し、土地面積は約89・5㌶。用途地域は準工業地域、第2種住居地域で、ワイハート地区地区計画の区域に指定されている。  周辺に大楠山や衣笠城址がある丘陵地にあり、横須賀市が「健康スポーツ機能」「先端的研究開発機能」「工業研究業務機能」「居住・文化・レクリエーション等の交流に資する諸機能」の導入を見込んで官民連携による整備を検討している地区に当たる。主に西武不動産が所有し、一部に市有地や国有地を含む。  組合は選定の理由として敷地に十分な広さがあることを挙げる。競走馬の筋力・持久力を高めるために高低差を設けた「坂路(はんろ)」や約600頭が入る厩舎(きゅうしゃ)などを整備する考え。また、横浜横須賀道路の衣笠インターチェンジから約0・5㌔の場所にあり、競走馬の輸送の点でも利便性が高いと判断した。  現在のトレーニング・センターは川崎市幸区の小向厩舎(きゅうしゃ)に隣接する多摩川河川敷にある。施設はよみうりランド(東京都稲城市)が所有し、組合が賃借する。建物の老朽化が著しい上、近年は気候変動の影響で水害のリスクが高まっていることから、おおむね2032年度までをめどに早期の移転を目指している。  移転先を巡っては、同組合が24年に旧神奈川大学湘南ひらつかキャンパス(平塚市)の購入に向けた優先交渉権者となり、神奈川大学や地域団体、平塚市などと協議を進めていたが、25年10月にスケジュール遅延を理由に撤回。早期の整備が可能なことに加え、強い競走馬を育てるための施設の導入、働きやすい環境づくりといった観点で新たな移転先を探していた。 移転決まれば地区計画変更など必要に  ワイハート地区は、横須賀市が計画的な土地利用と都市機能の導入を目的に、02年に市街化区域に編入したエリア。20年以上にわたり企業やナショナルトレーニングセンターなどの誘致活動を行ってきたが、大規模な造成やインフラ整備に膨大な費用と時間を要することから、土地利用が思うように進んで来なかった経緯がある。  上地克明市長は組合からの打診を受け、「地権者の西武不動産と共に、横須賀市の発展に資する活用となるのか、その可能性について検討していきたい」とコメント。組合から詳細な土地利用計画の案が示された後に移転に応じるかどうかを判断する方針だ。  移転が決まれば市の地区計画変更や県の環境影響評価といった手続きが必要となる見通し。