国立大学病院の老朽化 更新費5200億円の支援要望

中央
 文部科学省は6月16日、今後の国立大学付属病院施設の在り方に関する調査研究協力者会議の初会合を開いた。国立大学付属病院の経営が悪化する中で、施設の老朽化対策と、新たな地域医療構想を踏まえた施設の在り方を検討する。初会合では、国立大学病院長会議(NUHC)が国立大学付属病院の経営状況などについて説明し、建物の更新費用として5200億円の財政支援を求めた。  国立大学付属病院は、2026年5月時点で44病院ある。その多くは1960~70年代に整備されており、築25年以上の老朽施設は全体の25%を占める。配管の腐食や外壁落下、空調停止など安全面の課題に加え、教育研究機能の低下や維持管理費の増加が懸念されている。  NUHCによると、医療費や人件費などの費用の増加が病院収益の伸びを上回り、国立大学付属病院の収支状況は23年度から赤字が続いている。診療報酬の改定や補正予算で単年度の収支は補えているものの、老朽化した建物や医療機器の更新財源は確保できていないという。  その上で、施設の状況を12年前の水準に戻す必要があるとし、建物更新費用に5200億円、設備更新費用に年間1239億円の財政支援を要望した。施設整備費の9割を財政融資資金から借り入れなければならない現行制度についても見直し、新たな財政支援の検討を求めた。  協力者会議では今後、国立大学付属病院施設の課題を踏まえ、病院に必要となる機能や運営方法について議論する。病院に必要な機能として、防災機能や感染症対策機能、臨床研修・実習機能、イノベーション・コモンズ(共創拠点)などを検討する。運営方法については、都道府県などとの連携・分担、施設規模の適正化、老朽施設の戦略的リノベーションなどを検討する。