民間企業が「景観再生」主導 複数建築物 一体でリノベーション
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国土交通省は、5月に成立した改正景観法により、所有者と協定を結んだ民間企業が建築物をリノベーションできる「景観再生事業制度」を創設する。この制度を活用して民間企業が複数建築物の所有者と協定を締結し、一体的に建築物を再生することで、地域の活性化につなげる狙いがある。年内の改正法施行とともに、制度運用を開始する。
景観再生事業制度では、まず、未利用の建築物を改修・改築し、収益施設として運営しようとする民間企業が、地方自治体に「景観整備推進法人」としての指定を申請する。自治体から景観整備推進法人に指定された民間企業は、建築物の所有者と景観法に基づく「再生協定」を締結できる。協定締結の際は、自治体に認可を得る必要がある。
再生協定を締結した民間企業は、所有者から建築物を借り受け、リノベーションの実施やテナントへの貸し出しが可能となる。
法改正以前も、自治体に対して景観再生について助言できる「景観整備機構」を指定する仕組みはあったが、指定を受けられるのは非営利法人だけで、指定を受けた法人が実際に建築物のリノベーションを行うこともできなかった。今回の法改正では、民間企業も景観整備推進法人として指定できるようにし、企業が建築物の所有者に代わってリノベーションもできるようになる。
新制度は、所有者から建築物を借り受ける民間企業の信頼性を自治体が担保することがポイント。民間企業は所有者からの信用を得づらく、物件の確保が難しいといった課題の解消につなげる。
再生協定を結ぶことができるのは、自治体が定めた景観計画で、建築物の改修や利活用を促進し、エリア一体としての良好な景観形成に取り組む「景観エリアイノベーション区域」にある建築物の所有者。協定締結後の用途や、協定を締結できる民間企業の条件は、自治体が景観計画に定める。
制度の運用開始に先駆けて、国交省は自治体や民間企業に制度を周知し、制度の活用を促す。自治体に対しては、景観エリアリノベーション区域内にある建築物の所有者への事前説明を求める。
新制度のガイドラインも2026年度末に策定し、景観エリアリノベーション区域の区域指定の考え方や、再生協定締結の基本的な考え方も整理する。
