港湾工事の積算基準 全工種見直しへ検討会発足
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国土交通省は、港湾土木請負工事積算基準の抜本的な見直しに向けた検討会を設置し、6月17日に初会合を開いた。3月に、港湾工事の関係団体でつくる「積算基準等研究会」が、国交省に積算基準と現場施工との乖離(かいり)の解消などを求める提言書を提出しており、検討会でこうした課題の解決策を議論する。2029年度に改定後の基準を全面適用する考えだ。
1967年に策定された港湾土木請負工事積算基準は、工事規模の大型化や作業条件の変化に対応するため、96年に大幅に改定されたが、それ以降は工種ごとの小規模な改定にとどまっている。検討会の委員長を務める港湾局技術企画課の酒井敦史課長は初会合で、「現行の積算基準を抜本的に見直すことで、港湾建設業界が適切な利潤を確保し、持続的に発展できる環境を構築したい」とあいさつした。
積算基準等研究会は、積算基準と施工実態との乖離の解消に加え、港湾工事におけるDXや働き方改革といった社会変化への対応も、提言としてまとめている。積算基準に関しては、小規模・少額工事が施工実態と乖離しているとした他、時間単位で設定されている歩掛を日単位へ見直すことを求めた。ICT施工の歩掛の精査も求めている=表参照。
国交省は、この提言を踏まえ、港湾工事全工種の積算基準を抜本的に改定することを決めた。3年掛けて検討し、2029年4月から新たな基準を直轄港湾工事に適用する。改定作業を終えたものは、前倒しで適用する。
提言された課題の中には、国交省が26年度の改定ですでに積算基準に反映したものもある。標準的ではないため積算基準の適用が難しい工事については、見積もりを活用して適切な積算を実施することとした。自積バケットなど3方式から選定することが標準とされていた海上コンクリート打設も、見積もりを活用することで、実態に即して積算基準に記載されていない打設方法が採用できるようになった。
今後の議論では、小規模・少額工事の施工実態との乖離の解消や、施工箇所の分散に対応した現地事務所の設置経費の計上を論点とする。働き方改革に関連して、バックオフィスによって現場職員の時間外労働時間を削減するための費用の計上や、施工現場までの移動といった準備時間の扱いなども議題とする。
