労務費ダンピング調査徹底 入契調査で自治体の実態把握

中央
 国土交通省は、地方自治体などの公共発注者が適正に「労務費ダンピング調査」を行っているか実態を把握する。公共工事標準請負契約約款に則り、支払った労務費・技能者賃金の開示を規定する「コミットメント条項」を盛り込んだ工事請負契約書を使用しているかも確認する。第3次担い手3法の全面施行を受けて、特に自治体が公共工事で労務費を技能者に賃金として行き渡らせる取り組みを適切に実施できているか調査し、徹底させる。  入札契約適正化法に基づく公共発注者の実施状況調査として、財務省・総務省と共同で6月1日時点の状況を調べる。対象は国の機関が19団体、特殊法人が119団体、都道府県・市区町村など自治体が1788団体。調査結果は12月に公表する。  労務費ダンピング調査は、入札金額内訳書の記載内容を基に、労務費の適正性を把握するもの。低入札価格調査制度や最低制限価格制度を補完する新たなダンピング対策として、入契法に基づき、原則全ての公共工事での実施を求めている。  具体的には、落札候補者の入札金額内訳書に記載された直接工事費が、官積算の97%を下回った場合に労務費の適正性を確認する。合理的な回答がなければ注意喚起や警告を行い、その上で建設Gメンに通報する。  コミットメント条項は、改正法の標準労務費に沿った労務費支払いを担保するため、公共工事標準請負契約約款に盛り込まれた。受注者が発注者に対し、直接雇用する技能者への賃金や下請けへの労務費の適正な支払いを約束するとともに、発注者の求めがあれば支払い状況に関する書類を提出することを規定。労務費を末端の技能者にまで賃金として行き渡らせることを担保する。  コミットメント条項はAとBの2パターンの条文があり、Aの条文を採用した場合、下請けとの契約にも同様にコミットメント条項を盛り込むよう求める。発注者と元請けの間だけでなく、元請け・下請けや上位下請け・下位下請けの間でも労務費、賃金支払い状況を把握できるようにする。  また、入札の参加資格要件として設けている配置予定技術者の施工実績要件について、認定要件を緩和する運用の実施状況も調べる。建設業団体からは、出産や育児といったライフイベントに応じて技術者が工期途中で交代する際、それまでの経験を実績として評価されないと技術者の育成に支障が出るとの声が上がっていた。国交省の直轄工事では25年度から、過去の工事で原則として工期の2分の1以上従事していれば、同種・類似の施工実績として評価している。