酷暑と向き合う(3) 現場の知見、技術を総動員 これからの働き方 占う夏に

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建設現場では、熱中症警戒レベルに応じて作業時間短縮などの対応が求められている

 環境省によると、2025年に都内で暑さ指数(WBGT値)31以上の熱中症警戒レベル「危険」とされた日数は、6~9月の4カ月のうち、51日間に及んだ。屋外作業は原則として中止とされる水準だ。厳しさを増す夏の暑さに対し、国土交通省は働き方を柔軟化する「猛暑対策サポートパッケージ」を公表。実施に伴うコストや工期への影響を調査するとしており、今夏の取り組み結果は来年以降の建設業界の働き方を占うものとなる。  「他産業と遜色(そんしょく)ない労働条件を実現するためにも、厳しい夏の暑さへの対策が重要だ」。金子恭之国交相は、パッケージの発表に当たってそう強調した。地方自治体や民間発注者にも同様の取り組みを呼び掛けて建設業界全体の働き方を一新し、担い手確保のアピール材料とする狙いがある。  暑さ指数31以上は、建設業法の「工期の基準」で作業不能日に算入される。パッケージの対策は多岐にわたるが、骨子はこうした猛暑の環境での作業を回避することだ。  短工期の工事では、発注者が猛暑日を考慮した工期を確保。猛暑期間を準備工や工場製作に充て、夏季の現場作業を回避できる工期を設定する。工期が長期間の工事では、猛暑期間の休工を試行し、効果や追加費用を調査する。  受注者の自主性を生かすため、一定の工期の中で工程を組み替え、猛暑期間中の現場施工回避を受発注者協議できることを特記仕様書に明記する。夏季の現場作業が避けられない場合は、早朝・夜間施工など1日の中で作業の開始・終了時間を柔軟化する。  猛暑対策に必要な経費を確保できるよう、積算基準も改正。ミストファンなど設備面での対策費用を積み上げ計上による設計変更の対象とした上で、精算額の上限も引き上げた。「夏場は施工効率が落ちる」との声が業界から上がる中、施工実態調査に基づき歩掛の見直しも検討する。  一方、自治体の発注工事にはまだまだ課題が多い。国交省が25年度に行った調査では、全国の市区町村のうち猛暑日を考慮した工期を設定している団体は22・8%にとどまった。国交省は自治体に対し、適正な工期設定を徹底させるとともに、直轄工事と同様の対策を促す。  さらに、建設産業専門団体連合会の25年度調査では、公共と比べて民間工事で猛暑対策が進んでいないことも明らかになった。夏季の暑さが厳しさを増す中、従来通りの現場環境を放置すれば人命にも関わる。国交省は建設Gメンによる調査を通じ、民間工事においても必要な工期を確保するよう、注意喚起していく。