3D設計を施工段階で活用 納品データの内容に課題も

中央
 国土交通省は6月23日に開いたICT導入協議会で、設計段階で作成した3次元データを施工や維持管理で活用するための課題と取り組み事項を示した。2027年度以降は設計・施工間の連携に重点を置き、3次元モデルを工事契約図書とすることを検討。一方で、詳細設計業務で納品されたデータは要求通りでないものも多く、円滑な連携を妨げているといった課題も示した。  直轄事業では23年度からBIM/CIM活用を原則化しており、設計段階で3次元モデルを作成している。協議会では、設計段階で作成した3次元モデルの属性情報を活用し、数量算出に生かすBIM/CIM積算の実施状況を報告。25年度は砂防堰堤工事11件で試行し、必要な数量を算出できることを確認した。属性情報を備えた3次元モデルを変換し、土木工事積算システムに連動させるための設計数量管理機能を25年末に公開したことも説明した。  積算に用いるだけでなく、3次元モデルから得られる形状データをICT建機に読み込ませ、施工事例の蓄積が進んでいることも紹介した。一方で、電子納品された詳細設計業務のデータをそのままICT施工に連携できる例が一部にとどまることも分かった。25年4~6月に納品された284件のデータ内容を見ると、ICT施工で活用するためのデータ形式(J-LandXML)となっており、施工に必要な横断計上も備えていたのは44件で、全体の15%にとどまった。  BIM/CIMの今後の方向性も示した。27年度以降は3次元モデルを工事契約図書化することを想定し、ガイドラインの整備を進めるとした。一部工種でのBIM/CIM積算の原則化などを検討する。  30年度以降は、竣工後の維持管理段階も見据え、3次元データを活用した効率化・省人化を目指す。AIによる高度なデータ活用を見据え、構造物の設計・施工の標準化や、AIが読み込みやすいデータの構築を検討事項に挙げた。  協議会では、特に地方自治体の発注工事を念頭に、発注者が準備した3次元データを施工者が活用する際の課題を指摘する意見が出た。建設コンサルタントが納品する詳細設計の3次元データは積算用のため、施工者が3次元データを別途作成している実態もあり、設計・施工間の連携を円滑化するためのルールづくりを求める声もあった。