佐竹禎司氏(さたけ・さだし=東京都第一建設事務所長)大地震の被災経験が原点

東京

佐竹禎志さん(第一建設事務所長)

 「人々の命や暮らしを守る仕事に携わりたい」。阪神・淡路大震災で地元が被災した経験をきっかけに入庁を決意。4月に所長に就任した。第一建設事務所は首都東京の人と物の移動を支える道路・橋梁の整備に加え、中小河川や高潮防御施設の整備など幅広い事業を担う。「都民の生命と財産を守る重要な役割だ」と責任の重さをかみしめる。  印象に残っているのは、2019年の台風災害からの復旧に携わった二つの事業だ。オリンピック競技施設「海の森水上競技場」では、房総半島台風と東日本台風で施設が損傷。大会開催が目前に迫る中、関係部署が一丸となって期限までに整備を完了した。  同じく被災した日野橋の架替え事業では、旧橋から仮橋への交通切り替えの日に多くの地域住民が現場を訪れ、感謝や励ましの言葉を掛けてくれたという。「インフラは地域の暮らしを支えるものだと改めて実感した」と振り返る。現場を通じ、社会基盤の重要性を改めて胸に刻んだ。  事業を着実に進めていくためには、住民に理解・協力してもらうことが必須だ。「公共事業は初めから全員が賛成ということはない。それでも誠意を持って説明を尽くせば、多くの方には思いが伝わると信じている」と、地域に寄り添い丁寧な対話を重ねながら事業への理解を広げていく。  趣味は映画鑑賞と読書。SF作品を好み、中でも『機動戦士ガンダム』は幼少期から何度も見返した作品。ダイナミックな土木事業にも通じる宇宙基地や要塞を造る場面を見ると、つい胸が躍るという。 【略歴】  名古屋大学大学院土木工学専攻修了後、98年東京都第三区画整理事務所採用。23年港湾局港湾整備部計画課長、24年南多摩西部建設事務所副所長兼工事課長などを経て4月から現職。52歳。兵庫県出身。