標準労務費「知らない」3割 改正法施行直前の調査
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国土交通省が、改正建設業法の全面施行直前の2025年10~11月に「労務費の基準」に関する認知状況を調査したところ、建設企業の28・6%が「知らない」と回答した。「知っているが、内容は把握していない」の25・2%と合わせ、回答者の半数超が改正法に基づく著しく低い見積もり・契約の禁止を認識していなかった。調査では労務費を内訳明示した見積書の有効性も示されており、国交省は改正法に沿った商慣行の定着に注力する考えだ。
建設業許可業者を無作為抽出し、6051者から回答を得た。改正法では、労務費や材料費、法定福利費を適正施工に必要な経費と位置付け、見積書での内訳明示を建設業者の努力義務化するとともに、発注者や上位元請けに対して見積書を考慮する努力義務を課している。こうした規定についても、25・8%が「知らない」と回答した。「知っているが、内容は知らない」も21・0%を占め、労務費の基準と同様に半数近くが認識していない結果となった。
建設業者が基準を踏まえて適正な労務費を見積もり、内訳として明示して発注者や元請けと交渉することが、技能者の処遇改善に向けた第一歩となる。国交省は改正法を踏まえた商慣行の定着を急ぐ。
この調査では、下請け企業を対象に、内訳明示した見積書の提出状況についても調べた。全体として、公共工事の方が民間工事よりも見積書に労務費や材料費を内訳明示している割合が大きかった=グラフ。
労務費の見積書への記載状況を詳しく見ると、公共工事では1次下請けの58・8%が内訳を明示していた。また、次数が大きくなるほど内訳明示の割合が拡大し、3次以下では63・6%となっていた。
一方、民間工事で内訳明示していた割合は、1次下請けで54・5%、2次下請けで58・0%、3次下請け以下で44・5%となった。
内訳明示を行った企業では、1次下請けの78・9%が見積もった金額と同等以上の労務費を受け取っており、2次以下も70%以上が同様の回答となるなど、内訳明示した見積書の提出が労務費確保に有効なことを裏付ける結果となった。民間工事も、内訳明示した企業の7割前後が見積もった金額と同等以上の労務費を受け取っていた。
改正法の施行後、公共工事では労務費などを内訳明示した見積書の提出が義務化されている。国交省は、専門工事業団体を通じ、民間工事においても内訳明示した見積書の活用・普及を促していく。
